[会長ブログ ― ネコの目]
WHOとICN その1

今週は、二つの大きな会議に行ってまいりました。

まず、ジュネーヴでの世界保健会議、通称WHOの総会と呼ばれている、世界の保健分野の最高意思決定会議です。WHOに加盟しているすべての国の保健分野の責任者、日本では厚生労働大臣ですが、そのような方々が参加されての一大集会です。現在のWHO加盟国は193ヵ国ですから、他の国連関係の会議を含め、参加国数最大と申して良いと思います。

例年、WHOの総会に参加させて頂くのは二つの役目からです。ひとつは、私ども笹川記念保健協力財団が1984年に創設した「WHO笹川健康賞」の授与式です。この賞は、往時そして今も世界の保健分野の崇高かつ永遠の理念であるPrimary Health Careを実践し、成果を上げた人々と団体を顕彰するため、現日本財団創設者にして笹川記念保健協力財団の生みの親でもあられる笹川良一翁によって、多分、当時でWHO唯一の賞として設置されました。今年は、モンゴルのリンチン博士が受賞されました。

ご承知かもしれませんが、モンゴルを含む東南アジアは肝炎の蔓延地域でしたが、モンゴルでは、リンチン博士の長年の貢献で、比較的早くに、肝炎予防接種が行き渡っていました。さらに、受賞者を称えるスピーチで日本財団笹川陽平会長が触れられたように、かの国で広がっていた肝炎に対する偏見解消にも大いに努力されたことも、常々、ハンセン病に対する偏見解消に取り組んでいる私どもとしては大いに勇気づけられることでした。

もうひとつは、そのハンセン病関連の面談です。日本財団の笹川陽平会長は、長らくハンセン病対策のためのWHOハンセン病制圧大使を務めておられます。年間1/3程度は、この病気と、この病気に対する差別偏見が強く残っている国々を訪問し、今も治療を要する人々、偏見差別の中で暮らしている人々を親しく・・・本当に、文字通り、手とり足とり、生々しい傷口を素手で洗われ、抱きしめ、勇気づけられます。そして、その一方、保健大臣は申すまでもなく、大統領や首相や国会議長や、色々な分野の権威者有力者に、ハンセン病をめぐる対策を、口を酸っぱくして説いておられます。曰く「ハンセン病は、(とても弱いらい菌の感染症で)3種の薬をきちんと飲めば必ず治ること、薬は世界中、どこでも無料で配布されている(この考えは1995年、日本財団が始め、現在はノバルティス財団が引き継いでいます)こと、そして(単なる感染症であるこの病気への)偏見差別は絶対に止めること」です。数年前から、笹川会長は、各国の保健大臣が集まるWHO総会を利用して、まだ、この病気が残っている国々の保健責任者と面談されます。去年も今年も、事前の予定が詰まっていたため、飛行場から面談場所である国連欧州本部に直行されています。

おまけと申しては申し訳ないのですが、今年は、2期10年のWHO事務局長を終えられるマーガレット・チャン博士の最後の総会であり、また、その後継者が選出される特別な年でした。

既にメディアで報じられているように、次期事務局長は、アフリカ大陸から初めての選出でしたが、エチオピアの元外務大臣、保健大臣テドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士です。二人の新旧事務局長は、恐らく、分刻みの予定の中、会長主催の上記笹川賞受賞者のための祝賀ランチにお出で下さいました。もちろん、WHOハンセン病制圧大使としての笹川会長のご貢献があるからでありますが、私どもササカワ財団が、日本財団とともにやってきたことが、きちんと認識されていると、勝手に自負して、とても嬉しく思った次第。

さわやかな気候、緑にかこまれたジュネーヴ、はるかに望めるモンブラン・・・それらを楽しむ時間はなく、生憎!!! 2泊後、次の訪問地バルセロナに向かいました。以下次号。

ランチにいらしたスペシャルゲスト

20170531WHOICN①

現WHO事務局長マーガレット・チャン博士へのお別れのキャンドル贈呈
20170531WHOICN②次期事務局長テドロス博士と堅い握手