[会長ブログ ― ネコの目]
災害と対策

先週は放射線災害医療サマーセミナーでした。

この事業は、医学、看護学、薬学など保健系大学と原発が設置されている自治体および東京都の工学部の学生院生を対象に2014年から福島医大と長崎大学の協力で開催しています。3日間の福島医大での講義と放射能測定実習の後、原発事故で避難を余儀なくされた地域での現地研修と福島第二原発を見学します。重装備し、なおかつ二つの線量計を保持しての行程ですから、否応なく緊張しますが、原発の炉心の真下に達しますと、誰しも言葉を失います。私は、初年度に参りましたが、複雑に入り組んだ無数のパイプとところどころのバルブなど、何だか、人体の中のミクロの世界のような気も致しました。

今年までの4年間に総計78名が参加しています。毎年、運営をお願いしている福島医大の教職員と講義見学の指導をお願いしている両大学の先生方が色々工夫を加えて下さるのですが、4年目は、これまで訪問させて頂いていた川内村に加え、今年3月と4月に、やっと、帰還困難地区以外の避難指示が解除されたばかりの飯館村と富岡町での実習が加わり、3チームにわかれての地域見学となりました。もう一つ、4年目のトピックは、過去3回の研修を終えたOBOGたちが馳せ参じてくれたことです。たった1週間ですが、昨年一昨年に、ほぼ、同様の研修を受けた余裕でしょうか、ちょっとした先輩振りも、大層頼もしく見えました。

初日は初対面なので、皆、ややコチコチでしたが、福島医大の先生の鮮やかなアイスブレーキングミーティングで、あっという間に連帯感のある集団に替わりました。そして、最終日、それぞれのチームによる3自治体の状況や問題、研修を通じて考えた具体的な将来展望は、3人寄れば文殊の知恵の十倍くらいの知恵の塊からの、辛辣な現状評価や希望の持てる展望が発表されました。
いずれ、報告書が出ますので、乞うご期待です。

さて、昨日、1年半前の熊本地震の被災地である阿蘇近辺では、崩落した橋の開通が、にぎやかに行われたとの報道がありました。(南阿蘇の村道が開通 熊本地震で寸断、「復興へ弾み」と歓迎 2017.8.27日本経済新聞、熊本地震 復興に架ける橋 阿蘇長陽大橋が開通 2017.8.28毎日新聞)また、6年半になる大震災の地東北では、7年ぶりに、松島基地の航空祭が再開されたとの新聞報道(<松島基地>ブルーインパルス 天のキャンバスに舞う 2017.8.28河北新報オンラインニュース)や、TVでも鮮やかな演技?が放映(航空祭復活 7年ぶりブルーインパルス雄姿 2017.8.27NHKニュースウェブ)されていました。
復興のシンボルとしての開通式や催しは、大いに被災地の人々を元気づけるものでしょう。

災害・・・被災、避難、仮設住宅そしてボランティアや復興支援と云う単語は、毎日とは云わないまでも、毎週、目にするか耳にしています。

日本は災害大国ではありますが、また、とても防災意識の高い国でもあります。ちょっとした地震でも、数分後にテレビや携帯の画面に、正確な情報が現れます。長らく災害救援関連の仕事の端っこにいましたが、そんな国はほとんど経験していません。しかも、慣れっこにならないように、自治体や職場、学校で、毎年、繰り返しての訓練が行われていますし、また、建物などの耐震、免震技術もすばらしく進んでいます。しかし、どれほど準備しても、災害はそれを凌駕します。そして、それに立ち向かえるのは、科学的な知識、的確な情報を、適正に把握できる制度とそれを理解できる知識です。

9月1日の防災の日も近いのですが、災害時の自助、互助、共助、公助・・・そして今回も放射能災害を真剣に研修してくれた15名の次代を担う若き俊英とともに、こころして改めて、さまざまな災害とその対策を復習致します。

セミナーの様子

研修中の様子