[会長ブログ ― ネコの目]
在宅医療と在宅看護師

「うかうか、のうのうと暮らしてきたのではないけど、気が付いたら後期高齢者って、あまり自慢にならないわね」と、中学時代の友だちが電話で申しました。彼女は、一人娘に孫二人ですが、独り身の私はその上に独居老人・・・と云う称号もあります。彼女は、更に申しました。「仕方ないけど、高齢社会だ、超高齢社会だと云われると、何だか身をちぢめて暮らさねばならないような気がする、ネ」と。
お互いに毎回、「元気ィ?」と電話をはじめますが、元気でいることが段々難しくなってくる年齢で、ちょっと溜め息も出ます。ま、二人合わせて1世紀半も生きたことになりますので、多々経験はあるのですが、話題は健康に偏りがち。

医師むけITに二つの記事がありました。ひとつは、

在宅医療、小学区単位で綿密に 静岡市、19年度までに全域拡大 2017.9.19静岡新聞

これによりますと、静岡市は在宅医療推進のために、小学校区単位で医療介護職や地域住民の連携を進めておられるそうです。今では、周知のこととも云えますが、住み慣れた地域で人生の終焉を迎えたいのが高齢者ならずともほとんどの人が希望するところです。

国、厚生労働省が進めている「地域包括ケアシステム」は、体調低下が当たり前もあって、医療保険も介護保険もやや濫用しがちな高齢者の健康関連経費を増やし過ぎず、今までの国民皆保険を継続することも目的のひとつです。が、住み慣れた地域で人生を終えるためには、地域の人々を中心にした生活支援体制が必須です。

私ども笹川記念保健協力財団は、その中心となりうる在宅ケア/看護をしっかり担い、地域の多様な保健専門家たちの協働を調整できる看護師集団を作る支援を、2014年から始めています。過去3年間に8ヵ月の過酷!!かつ興味深い研修を終えた35名中28名が、北海道から福岡で開業済です。まだ、たった28ですし、なかなか、理想通りには拡張発展はしていませんが、今までの医療制度の限界を超え、自立した新しいケアの専門家、地域を支える看護実践家たちです。

静岡市はその地域包括医療を市内全89小学校区で取り組まれるというのです。8月下旬には市内8小学校区で「認知症の人と家族を支えるまちづくり」第1回を開催されました。在宅療養とその支援は、ご家族、地域の人々のご理解ご協力が基本です。取り組みには、保健・医療・看護・介護の関係者以外に、自治会や民生委員など住民代表も参加されています。高齢者が、何ヵ所も病院や開業医さんをめぐり、飲めないほど薬を処方されることを省いたり、入院先から施設に直行し、地域では居場所不明となることを防いだり、地域内の連携連帯は個々人ではできません。人生の最期を何処でどのように過ごすかは重要な保健福祉策です。こんな中で、在宅の療養者をケアする看護師が、地域ぐるみの健康維持にも、その知識や技術を活用して欲しいと思います。
も一つは島根県松江市島根町で、住民有志が在宅医療ハンドブックを作成されたという山陰中央新報のニュースです。

 

島根町の住民有志 安心して在宅医療を ハンドブック作製

松江市島根町の住民有志が中心となって製作を進めていた、在宅医療の利用方法や終末期の過ごし方をまとめたハンドブックが完成した。町内に全戸配布し、関係者は「住み慣れた地域で安心して暮らすための手引にしてほしい」と活用に期待している。

ハンドブックはA4判、21ページ。町民から「いざという時に参考にできる冊子がほしい」などの声を受け、健康まつえ21島根地区推進隊と島根地区社協連合会が1,400部作った。
通院が難しい場合には、歯科医による訪問診療や薬剤師の訪問指導が受けられることを紹介したほか、さまざまな在宅サービスの利用法を記載。終末期の過ごし方を決める参考にと、終末期を自宅と病院で迎える利点も示した。
作製に関わった松江市島根支所の高野美智子保健師(45)は「日頃から手元に置いてもらい、救急時や地域での暮らし方の指針にしてほしい」と話した。
完成した島根町版のハンドブックを参考に、松江市は市全域版のハンドブックを作製している。年内には、市内29公民館や地域包括支援センターなど関係機関に3,000部を配布する。

2017.5.12山陰中央新報

 

町の有志の方々が在宅医療の利用法や終末期の過ごし方をまとめたハンドブックを完成されたという素晴らしいニュースです。

上述、私どもは、今後の地域の保健医療体制を支えられる起業家マインドをもった看護師グループを広げたいと願って研修を始めました。経験10年以上の看護実践者たちは、この研修が始まると、その間も開業予定地の状況を調べ、関係者と連携し、8ヵ月の研修の最後には、開業資金のあれこれから借金返済計画を含めた、立派な開業計画を発表します。それが無ければ、研修修了証書は出しません。が、いざ開業してみると、意外なほど、在宅看護の良さどころか、それが今後必須の地域保健医療サービスであろうことが知られていないというのです。顧客獲得の苦労が始まります。

松江市島根町では、このハンドブックを町内全戸に配布し、「住み慣れた地域で安心して暮らすための手引」にして頂く、そのためには在宅看護デスヨ!!と呼びかけて下さる・・・のです。

A4判、21ページだそうですが、町の人々から「いざという時に参考にできる冊子がほしい」との声を受けて、健康まつえ21島根地区推進隊と島根地区社協連合会が1,400部を作成されたとか、すごいです。

通院困難な場合、歯科医の訪問診療や薬剤師の訪問指導もあること、さまざまな在宅サービスの利用法も記載されており、終末期の過ごし方を決める参考にと・・・。

作製に関与された松江市島根支所の高野美智子保健師は「日頃から手元に置いてもらい、救急時や地域での暮らし方の指針にしてほしい」と話されています。なお、松江市は、この島根町版を参考に、市全域版ハンドブックも作製され、年内に、市内29公民館や地域包括支援センターで関係機関に3,000部配布されるそうです。意識高ぁ~ィですね。ご発展を祈ります。