[会長ブログ ― ネコの目]
仲間の「看多機」が兵庫県知事賞受賞!!!嬉しい日々・・・

先週、日本看護協会福井トシ子会長の、豊富な情報量と受講生を鼓舞するに余りある講義をもって、年内の「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の予定は恙なく終わりました。新年の数日の講義後、起業計画を発表して4期生たちは、看護力をもって社会を変えうる起業家に、めでたく変身致します。志を等しくし、8カ月の長丁場を切磋琢磨し、同じシンボルを掲げる在宅/訪問看護の拠点が、後1年以内に50カ所に近づきます。嬉しいことです。

その中で、ビッグニュースが飛び込みました。
兵庫県の、「こうのとり」で有名な豊岡市で開業後、ユニークで活発な活動を続けている「一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ(代表理事一期生大槻恭子氏)」が、兵庫県知事賞を受けました。ブラボーです。

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今回の受賞は、「先進的な福祉の形!! 看護も提供できる」と、看護の力が認められたことを、大変うれしく、また光栄に受け止めました。写真のように、リガレッセのもつ看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)サービスは、本物の古民家を再生しています。ただ、建物の修復だけでなく、そこに新しい取り組みが落とし込まれている・・・つまり、古民家再生が単なる物的再生、飾りものではなく、地域で営々と続いている生活と結びついている、たとえそれが生の終焉への道であろうとも、そこに人々の生きてこられた証と想いがあり、そして看護がある、ということです。嬉しいことに、「大槻さんならではの取り組みである」とのお言葉も頂けたそうですが、この様な古民家再生+看護力による地域の生活支援的取り組みがさらに増える事を期待しての賞だとも言われたそうです。

建物の審査・・・これは建築家の仕事でもありますが、看多機すなわち、地域の人々が尊厳をもって人生を締めくくられる場としての構想は、大槻さんのお考えですから、両者の連携です。現場としてのリガレッセでは、建物の審査だけでなく、1時間以上のインタビューと調査があったとか、大槻さん本当におめでとう!!

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さて、「リガレッセ」とは、リガーレ(rigare 繋がる、紡ぐ)とエッセ(esse 存在)というラテン語2つの合成語だそうです。そして、丸ァルいシンボルマークは、ボタンボウフウをデザインしたもの。大槻さんによれは、その花弁が細かく繋がり紡ぐ様をデザインしてあるそうです。そのボタンボウフウの花言葉は 「長い時間のつながり」であり、大槻さんは、1人1人の存在と生命<イノチ>を尊重し、この花のように、人と人、場と場を繋げ、紡いでいく存在でありたいとの想いをこめてデザインされました。

看多機は、現在、日本で300を超えていますが、端的に申せば、医師のいない診療所(ベッド数20床以下が診療所、20以上は病院)とも申せます。経験を積み、それなりの研修を終えた看護師が、外部の医師や医療施設との連携のもと、専門的な「看護/ケア」を行います。高度で侵襲度の高い医療行為はありませんが、穏やかに、個々人の生命力回復力を尊重した医療が行われるところです。大槻氏は、在宅/訪問看護センター開業後、早い時点で看多機を立ち上げられました。といっても、看多機は、地方自治体の指定が必要なので、実際には、開業準備中から、看多機をも想定した行動をとっておられました。

約8カ月経ったリガレッセで、最期をお迎えになられた方は早5名だそうです。そして、そのすべての方々が、特に幼少期をリガレッセ辺りですごし、遊び場としてこられ方などは、他所の施設は拒否されても、懐かしい思い出のある故郷の古民家での療養を受け入れられ、それをとても誇らしげに話されたそうです。中には相当頑固親父であった方もおいででしたが、誰かれなく面会者に、「ここの、この木は素晴らしい」とか、思い出の様々な人生物語を紡がれ、眠るように逝かれ、ご家族からは大満足の最期だったとのお言葉があったとか・・・築150年、旧家の止まっていた時が、また流れ出したことに、にんまりとされる地域の、かつての腕白たちの笑みが感じられるとは、スタッフご一同の感想です。地域社会に、地域の個々の人々に看護が役立っていることを実感します。

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2017年も、色々なことがありました。そして、国際的にも、不穏な様子は改善していません。しかし、私たちは生きて行かねばなりません。生きている限り、人として、他の人、社会との関わりは止められません。そんな中で、医療施設で、街の中で、地域社会の中で、看護師諸氏が、活動の場を広げて下さっていることを嬉しく実感できる日々です。来年も頑張ろう!!