[会長ブログ ― ネコの目]
3冊の本 その1

昨今、電子ブック、Kindleなど、場所を取らない書籍が当たり前になりました。が、私は、やっぱり紙の本が好きです。とは、単にオールドファッションなのでしょう。けれども、同時に2、3冊を並行して読むことが多いので、周りに本を侍らせ、うたた寝するのは、春眠暁を覚えずの頃の至福です。

昨年来、手にした本の中で、何度も行きつ戻りつしながら楽しんだ、チョット苦しんだ3冊をご紹介させて頂きます。いずれも、女性の研究者の解説書とでもいえる、とても興味深いけれども、ちょっと深刻にもなる、つまり少し難しいというか、深刻な問題をはらんでいる書です。たった数行に紹介するのは僭越にして傲慢ですが、ご容赦を。

1冊目は、『学力の経済学』中室牧子慶応大学総合政策学部准教授の著書です。

2冊目は、=あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか=という、ちょっとドッキリする副題の付いた『10万個の子宮』村中璃子氏の著書です。

3冊目は、『AI vs 教科書が読めないこどもたち』国立情報学研究所教授新井紀子氏の、衝撃的ながら、ちょっとホッとする著書です。

まず、今日は、『学力の経済学』中室牧子慶応大学総合政策学部准教授についてです。

タイトルからは、勉強したらお金持ちになる・・・のかと思いそうですが、この一見とっつき難い題名の本は、医療分野でいうエビデンスに基づいたケアの考え同様、良い教育は科学的合理的な証拠(エビデンス)に基づくべきだと解説されています。実は、このベストセラーには多くの反論もあります。つまり、教育を経済的観点で論じるのは如何かという意見です。が、この本は、新しい教育論が提言されているというのではなく、メディアなどに取り上げられる教育論の多くが、評論家の個人的経験に基づいているに過ぎないが、その主張に「なぜ、それが正しいか」の説明、つまり証拠が必要だと指摘されているとは申せます。それは、医療分野のEBM(Evidence Based Medicine <科学的>証拠に基づいた医療)やEBN(Evidence Based Nursing <科学的>証拠に基づいた看護)とも同じ考え、つまり教育の効果を云々するにエビデンスが必要、EBE(Evidence Based Education <科学的>証拠に基づいた教育)が必要ではないかと解説された・・・と私は読めました。ただ、確かに、保健医療分野も教育も人が人を扱うという共通性をもっており、そこを経済性でのみ断じることは如何かな、という気持ちは否めません。

中室先生は、昨年の日本財団主催の「ソーシャルイノベーション・フォーラム」にもご参加でした。

ググってごらんになれば、賛否色々なご意見があります。あなたはどう考えらえますか?

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