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ごあいさつ

会長 日野原重明
会長 日野原重明

理事長 紀伊國献三
理事長 紀伊國献三

2010年11月、笹川記念保健協力財団と笹川医学医療研究財団は、ひとつの財団として新しいスタートを切りました。笹川記念保健協力財団は、過去30年以上にわたってハンセン病とこの病気に由来するさまざまな問題を世界からなくすための取り組みを、そして旧笹川医学医療研究財団は、あらゆる病に向き合う人と その家族のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質、人生の質)の向上を目指して、日本におけるホスピス緩和ケア向上のための取り組みを行ってまいりました。

笹川記念保健協力財団が設立された1974年当時、世界で1,200万人とも推定されていたハンセン病患者は、多剤併用療法(MDT)の確立により治る病気となり、世界各国で対策が進みました。今日、年間の新規診断患者数は約24万人にまで減少しましたが、今後数十年間にわたり患者の発生は続くと予想されており、早期の診断と適切な治療で障がいの発生を未然に防ぐことは重要な課題であります。同時に、たとえ病気は治っても、病気にともなう偏見や差別は世界の各地で根強く残っているのが現実です。私たちは、ハンセン病の早期診断と適切な治療を受けられる環境の持続と、患者、回復者とその家族が人間としての尊厳を持ち、平等な機会を享受し、社会の一員として「共に生きる」ことのできる社会の実現を目指していきたいと考えています。

ホスピス緩和ケアの向上に努めてきた旧笹川医学医療研究財団も、笹川記念保健協力財団同様、医療面のみならず精神・社会面からも病に向き合う努力を重ねてきました。ホスピス緩和ケアとは、あらゆる病を抱える患者とその家族の、身体的、心理社会的、そしてスピリチュアルな苦痛の緩和を目的とする全人的ケアのことであり、いつでも、どこでも、誰にでも、ケアを必要とするすべての人に提供されるべきものと私たちは考えています。現在、日本におけるホスピス緩和ケアの対象はがんとエイズの患者に限られていますが、財団では今後、その対象をあらゆる病に向き合う人に広げ、一人一人のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質・人生の質)の向上を目指していきたいと考えています。

新たな体制となった当財団は、二つの財団がこれまでに培ってきた経験と知識を、分野や国境を越えて分かち合い、資源と人材を最大限に役立て、すべての人が自分らしく、よりよく生きることのできる世界の実現に向かって努力をつづけてまいります。引き続き、皆さまの益々のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2011年11月 公益財団法人笹川記念保健協力財団   会長 日野原 重明
理事長 紀伊國 献三