公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:ハンセン病と人権

 われわれは、2005年までにハンセン病を制圧しようと懸命に努力しています。ここでいう「制圧」とは、世界各国の人口1万人あたりの有病率を1人以下にすること、と定義されています。

 しかし、この数字は、ハンセン病が単に公衆衛生問題、つまり医学的な問題として制圧されたに過ぎないことを意味します。制圧目標を達成しても、ハンセン病との闘いは終わらないのです。

 古代から、ハンセン病には根強い社会的な汚名がつきまとってきました。ハンセン病患者は、社会から強制的に隔離され、家族から見捨てられ、多くの場合、まるで存在さえしていないかのように扱われてきました。私は、ハンセン病患者に対する差別は人権問題として扱われるべきだと考えてきました。

 今日、世界にはハンセン病の治療を必要とする患者が年間およそ60万人います。しかし、治療を終えた回復者やその家族を含めると、いまだに数千万人もの人々がいわれのない差別や、結果として生じる不公平で苦しんでいます。これらの人々はハンセン病との関わりのない人には開かれている教育、結婚、就職といった機会をたびたび拒否されてきました。

 7月2日にジュネーブを訪れた私は、この問題について国連人権高等弁務官代理のバートランド・ラムチャラン氏と初めて会談することができました。ラムチャラン氏は、これらの人々が直面している差別がまさしく人権問題であるということに完全に同意しました。そして、この状況を改善するというわれわれの取り組みに協力することに合意しました。私は、今回の会談が意義深く歴史的な出来事であると思っています。ハンセン病患者やその家族が味わってきた苦しみについて、ついに国際的な世論を喚起できたことにとても喜んでいます。ようやく、世界はこの問題を人権問題として取り組むことになりました。

 人権に関する問題が解決されない限り、ハンセン病との闘いが終わることはありません。2005年の制圧目標達成後も、ハンセン病が医学的にも社会的にも完全に根絶されるまでわれわれの闘いは続きます。