公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:"届かないところ"に"届ける"ために

 今回のニューズレターでは、引き続きインドを特集します。インドでは、2002年に47万3658人の新たなハンセン病患者が報告され、これは世界で報告された患者の76パーセントにも達します。この数の多さに専門家は次のように言っています。「インドがハンセン病の制圧に失敗するなら、われわれ皆が失敗したことになる。」

 10億人以上の人口と100以上の言語をもつ国の、すべての地域社会のあらゆる階層から患者を見つけ、治療を施すという仕事は簡単なことではありません。

 医療問題としてだけでなく、社会的烙印もインドでは重大な問題です。ハンセン病につきまとう深く根をおろした烙印のため、多くのハンセン病患者に手を差し伸べることが難しくなってきています。

 これらの障害を乗り越えるために、インドでは国内をくまなく回って新しい患者を発見できる、訓練された医療従事者の基盤を強化するという取り組みに重点が置かれています。一例として、基本医療サービスとハンセン病サービスを統合したことが挙げられます。これによって村の公衆衛生従事者が各家庭を訪問できるようになりました。また、学校教育を通して推進されているハンセン病に関する情報伝達活動があります。今回の「インドからの報告」で説明されているように、児童は簡単な人体図を家に持ち帰り、家族の皮膚に異常があれば、どんなものでも記入して、学校に提出することになっています。

 これらの着実な取り組みは、大きな累積作用をもたらしています。以前に比べ、より多くの人々に手が届くようになっています。いまだに、治療できることを認識していない、新たな人々が、絶えず発見されています。言語や地理的な問題、社会的構造のために、ハンセン病が根治可能であるメッセージがこれらの人々に、なかなか伝わらないことがあります。しかし、インドの取り組みがこれらのすべての人々に到達しない限り、ハンセン病の制圧に成功したと宣言することはできません。そして、ハンセン病が根治できるという認識がないと、検診に気が進まない多くのハンセン病患者は取り残されてしまいます。皮膚に斑点を見つけたら、近くの保健所に行くように、人々を勇気づけなければなりません。そのためには、「ハンセン病は治癒可能」「治療が無料で受けられる」「社会差別は容認できない」というメッセージを社会のあらゆる階層に浸透させる必要があります。われわれが何としても対処しなければならない難問は、これらのメッセージと治療を、届きにくい人に、届けることです。