公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:コミュニケーションの必要性

─ハンセン病はメディアの助けを必要とする―

 制圧目標達成への時間が迫るなか、「ハンセン病は治る病気である」「治療は無料」「差別は許されない」という三つの簡単なメッセージを、すべての人に伝える必要があります。このような知識は、自分から申し出て診療を受けるという、制圧にもっとも重要な新患の発見に大きな役割を果たします。そして、インドのような国に特に存在するこの病気にまつわる烙印をなくすためにも重要です。

 なぜ、このような簡単なメッセージが伝わらないのでしょうか?われわれの無知、偏見、恐れは当然その原因でしょうが、メディアにもその責任があるということもできるでしょう。

 ハンセン病制圧大使としての経験から言えることは、メディアのもつハンセン病についての知識が、私たちが期待しているものからはほど遠いものであるということです。これは、プライオリティの問題であるということもできます。今日世界には数多くの重要な公衆衛生上の問題があり、ハンセン病は蔓延国であっても、そのリストの中でトップの位置を占めるような問題ではありません。つまり、これはメディアにとっても同じことなのです。結局、ハンセン病は人類の歴史始まって以来存在する病気であってきましたが、「新しい」病気ではない。ニュースにはならないのです。

 しかし、だからといってハンセン病を無視していいわけがありません。もっと悪いことは、問題として取り上げるのはいいとしても、その結果、古い偏見を広めたり、あるいは、事実を誤って伝えてしまうことです。

 実際、ハンセン病制圧のストーリーは、世界の公衆衛生分野における成功例として素晴らしいストーリーであります。1250万人の人々が病気から解放され、インドはその内の1000万人を占めるのです。しかし、もう一つの「関心を引く」ストーリーは、聖書にまで記述された病気がいまだに制圧されていないというストーリーでもあります。

 わたしたちの制圧目標を達成するためには、政治指導者が、強い責任感を持ってくれること、一般の人々がその病気の症状と治療についての正しい知識をもつこと、そして、病気を恐れなければならない理由は何もないことを広く知らしめる必要があります。すなわち、私たちはメディアを必要としているのです。

 しかし、メディアに応援してもらうというより、私たちがメディアに対して働きかける必要があります。メディアの果たす役割は大きいのですが、メディアが間違った報道をしても、私たちはメディアを非難するのではなく、私たち自身が的確にメディアに対する働きかけをしていないからだと考えるべきでしょう。