公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:差別撤廃に向け前進

 2006年1月29日、私はインドにおいて、ハンセン病が生む不当な差別をなくすことを世界に訴えるため、世界の指導者たちからの賛同を得て、グローバル・アピールを発表しました。その翌日、インド政府は公衆衛生上の問題としてのハンセン病の制圧を宣言しました。この歴史的な二つの出来事を同時に迎えられたことは大変喜ばしいことであり、私はこの偉業を達成したインドに対し、心から賛辞を送りたいと思います。

 このグローバル・アピールの目的は、ハンセン病回復者に対するスティグマと差別の問題に対する世間の注意を喚起し、この問題の全面的な解決を推進することにあります。

 医療従事者の多くが往々にしてハンセン病を「忘れられた(熱帯)病」の一つとして取り上げることがありますが、私はこの表現は不適切であると思います。この表現は、すべてのハンセン病患者、病気が治ってもなお差別に苦しむ回復者、また、効果的な治療が可能になる以前からハンセン病制圧活動の最前線で身を捧げてきた人々に対して、礼を失したものであると考えます。

 遺憾ながら、スティグマと差別の問題について、これまでわれわれは怠慢であり、われわれの取り組みが十分でなかったことは事実です。これまで、世界には多くの病気が出現し、現代医学の進歩にも顕著なものがありましたが、ハンセン病ほど誤解を生み、汚名を着せられた病気はありません。われわれは長い歴史を通じて、いかに多くの悲劇がこの病気によって生み出されてきたか、を忘れてはなりません。

 真にハンセン病との闘いに勝つため、医療面と社会面の両面を車の両輪として同時に進めてゆく必要があります。

 まだ当分の間は、相当数の新患者が出続けるでしょう。これらの新規患者を決して見過ごしてはなりません。そのためには、一般の医療保健サービスにおいて、早期発見と迅速な治療を確保することが重要です。

 同時にわれわれは、差別という病に侵された社会を、ハンセン病患者・回復者その家族が尊厳を持って暮らせる社会へ、と変えなければなりません。

 この一年を、ハンセン病のない世界に向けた闘いを、更に勢いづけ、前進させる一年にしようではありませんか。