公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:ハンセン病と人権

 ハンセン病と人権の問題を国連機関や人権団体などに説明するときに常に問題となることがあります。ハンセン病の実態をよく知らない人々は、この問題を「健康と人権(rights to health)」の問題と考えがちです。

 ハンセン病患者には医療サービスへのアクセスや無料の治療を供給する体制が確立されています。したがって人々が健康な生活を送る権利をもつこと、すなわち病気にかかった人が必要な治療を受けられることを人権としてとらえる「健康と人権」の範疇ではなく、この問題は病気から回復してもなお、人々が人間として普通の生活をする権利を与えられない「差別」の問題としてとらえるべきです。

 治療を受け、回復した後であっても、この病気に対するスティグマは、病気にかかった人々からその基本的な権利、就職、結婚、教育などの権利を奪ってしまうのです。特にその差別は弱い立場にある女性、子供、高齢者そして障害をもった人々に対して向けられます。

 1980年代にMDTが開発されてから1500万人の人々が世界中で病気から解放されました。しかし、差別の対象となるのはこれらの人々だけではありません。何千万人にものぼるであろう彼らの家族や親族の人々も差別の対象となります。これこそ、この問題が「健康と人権」の問題でなく、それ以上の「差別」の問題であることを示す理由なのです。

 国連人権理事会が差別の問題を分類するときに、女性に対する差別、子供に対する差別、障害者に対する差別、貧困による差別などと分類しますが、ハンセン病と人権の問題はこれらすべてを含む複合的、大規模で、普遍的社会差別です。

 私は新しく改組された国連人権理事会に「健康と人権」という範疇でなく「ハンセン病と人権」という独立した人権問題として多角的な側面からこれを取り扱うことを提案します。

 ハンセン病に基づく差別を永久になくするために、皆さんのご理解とご支援をぜひお願いいたします。