公益財団法人笹川記念保健協力財団
English
文字サイズ文字を大きくする文字を小さくする

WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:患者・回復者、その家族の皆さんへ

 私が2003年に初めて国連人権高等弁務官事務所に駆け込み、ハンセン病と人権の問題を訴えてから5年という月日が過ぎました。その間、回復者の皆さんのご協力をいただきながら、国連人権委員会、国連人権小委員会などで何度も訴えを行ってきました。そして、長い時間がかかりましたが、ようやく、本年6月18日に、国連人権理事会は、「ハンセン病の患者・回復者そしてその家族に対する差別の撤廃」決議案を全会一致で採択しました。これは、私達のハンセン病との闘いの歴史に新たな重要な一ページを加えることとなったと心からうれしく思います。

 決議案は、私の訴えに応えて日本政府がイニシアチブをとって提出されましたが、各国政府への丁寧で熱心な働きかけにより、最終的には、人権理事会常任理事国以外の国々も含む59カ国の共同提案となりました。これは画期的なことであります。これは、この問題が、政治、宗教、人種、年齢、性別などを超越した大きな普遍的な差別の問題であることを各国政府が認識し、理解してくれたことを意味しており、私は高く評価しています。

 今後、国連高等弁務官事務所が調査研究と人権理事会諮問委員会が調査研究を進め、来年9月の人権理事会までには、各国政府や国際機関、NGO、関連団体などのための行動指針(ガイドライン)を策定する運びとなります。それにより、さらに具体的な差別撤廃のための施策が明らかになってくることを確信します。

 長い間、何百万人もの数え切れない数のハンセン病患者・回復者そしてその家族の方々が差別に苦しみ、社会から排除され、疎外された生活を余儀なくされてきました。この人々の犠牲があってこそ、私達は、ここまで到達できたのです。皆さんには勇気と誇りをもってこれからの日々を送っていただきたいと心より願います。ジュネーブのこの決議は、ハンセン病患者・回復者そしてその家族の皆さんの尊厳の回復と社会への再統合を希求する私達にとって、大きな一歩であります。