公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:避けられぬ遅れ

 私が国連機関に対してハンセン病と人権の問題に関する最初の問題提起をしてから早6年が経過した。2003年に私が初めて国連人権高等弁務官事務所に対して働きかけをして以来多くの事がなされてきた。

 関係NGO、患者・回復者の皆さん、そして一番最近では日本政府からのご協力を得て、ハンセン病患者・回復者そしてその家族に対する差別撤廃のための原則とガイドライン(P&G)の案が今年8月に起案された。これは昨年6月に出された国連人権理事会で全会一致の決議で採択されたものである。この段階では、この原則とガイドラインはさまざまな意見が十分反映されるものであった。

 国連人権理事会の裁可を得ることを目的に、日本政府がこのP&Gを9月に開催された第8回国連人権理事会に諮り決議を通す段取りができていた。しかしながら、残念なことに、この文書案が人権理事会諮問委員会の審議を経る過程で、ハンセン病患者の隔離を容認する一文が追加されてしまった。これは、公衆衛生上の見地から隔離は一時的でなければならないということを明記した文章ではあったが、正当化できるものではない。

 私は、日本政府に対して深い憂慮を表明した。その結果、日本政府はこのP&Gを一旦諮問委員会に差し戻すことを決定した。さらなる討議を経た上で、この文書は後日、人権理事会に提出されることとなり、この決議は52カ国によって共同提案された。私は日本政府に対してその決断と行動に感謝したい。

 確かに、これはこの皆が望んでやまないP&Gが最終的に裁可される時期を遅らせることとなる。しかし、私は、最終的に、患者、回復者そしてその家族の皆さんの生活に本当の意味での変化をもたらすことができる文書ができあがることを望んでやまない。望まれる成果が獲得できるよう、全力を尽くそうではないか。