公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:まだ終わらない仕事

 2010年5月、WHOより私のハンセン病制圧特別大使の任期をさらに2年延長したいとの要請があった。私の仕事に強い信頼を寄せていただいていることに感謝し、なお一層の努力を続けてゆくことを誓って、このご依頼をお受けすることとした。

 ハンセン病の問題とそれに関連する様々な課題について、各国政府と保健省が優先して取り組んでくれるよう常に働きかけること、信頼できるメディアを通じて一般の人々のハンセン病に対する理解を促進すること、現場で活躍する関係者を激励すること、ハンセン病患者・回復者にもこの病気への闘いに積極的に参加してもらうことなどが、特別大使としての私の重要な役目である。

 特に私は、ハンセン病患者・回復者の方々と、政治や行政の指導者たちとの橋渡しをすることを精力的に行っていくつもりである。この橋渡しは、適切な治療と診断を受けられるようにするだけなく、障害者年金、住宅などを確保するために重要であり、社会の主流から取り残された人々を再び社会の中心に取り戻すための、非常に重要なエンパワメントになると考えている。

 私は、ハンセン病の制圧活動をしばしばモーターサイクルに例えて表現してきた。前輪は病気と後遺症を治すこと、そして後輪は社会のスティグマや差別を失くすための我々の取り組みである。

 多剤併用療法(MDT)によりハンセン病は治る病気となり、WHOは病気による負担を減らすためのロードマップを作成し、前輪は比較的スムーズに動いている。しかし、各国を訪れて感じることは、このモーターサイクルは常にメンテナンスが必要ということだ。患者のさらなる減少と、質の高い医療サービスを維持するためには、ハンセン病が政策の優先事項であり続けなければならない。後輪のスティグマや差別の問題については、2008年に国連人権理事会が全会一致で差別撤廃決議を可決したが、今年中には具体的なガイドラインが可決されることを望む。

 「制圧elimination」という言葉は、ハンセン病に関していえば、非常に具体的な意味を持っている。まだこれを達成できていないいくつかの国もいずれ達成するだろう。しかしながら、ハンセン病制圧特別大使としての私の仕事は、ハンセン病と、それに起因するスティグマと差別がまったく存在しない世界を実現するまで終わることはない。