公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:東ティモールの勝利

 東ティモールとインドは、地域と人口という観点では、対局にある。しかし、いまこの二つの国に共通する際立った公衆衛生上の成果がある。それは、公衆衛生上の問題としてのハンセン病の制圧という快挙である。東ティモールは、このマイルストーンに達した最も新しい国であり、3月にディリで開催された式典で公式に発表された。一方、インドは、2005年末に制圧を達成している。

 東ティモールを私が訪問した回数は、インドと比べるとかなり少ないが、病気と闘う努力を支持する私の気持ちに差などありようがない。2002年に独立したばかりの若い国家にとって、これは誇るべき快挙である。残念なことに、私自身は、3月11日に日本を襲った大地震と津波の被災者への緊急支援活動の指揮をとるため、式典に参加できなかったが、ジョゼ・ラモス-ホルタ大統領の臨席を得て、素晴らしい集まりであったと聞いている。

 インドにとっても、患者が1万人に1人以下という目標を達成したことは、歴史的な瞬間であった。かつて、何百万人もの患者を有していた国にとって、この達成は見果てぬ夢のようなものであった。

 ここで東ティモールとインドを一緒に取り上げたことには理由がある。東ティモールの快挙とそれを成し遂げた人々の努力を認めお祝いする一方で、2005年以降のインドの経験にも、皆さんの注意を喚起したいと考えたからである。インドには、この病気が深刻な問題となっている地域が、まだ残っている。しかし、制圧達成時に存在した政治的なコミットメントに陰りがみられることも明らかである。

 私がいつも強調してきたように、又、インドの例が示しているように、制圧は進むべき道の終わりではなく、まだまだなすべきことがたくさんある。しかし、私はインドがその歩みを止めることはないと自信をもって言える。そして、東ティモールが、インドの教えを心に留めてくれることを確信している。

 いま、制圧の未達成国は、ブラジルのみになった。ブラジル政府が、新たな大統領と保健大臣の下で、ハンセン病対策により一層の努力をして下さることと期待している。このブラジルの努力を暖かく見守り、もし協力の要請があれば、全力をあげて彼らの活動をサポートしようではないか。