公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:ブラジルに期待を寄せて

 ブラジルは、公衆衛生上の問題としてのハンセン病の制圧をいまだに達成していない国である。しかし、8月に訪問した際、保健大臣との会談で、本年の末までに公約を実現し、制圧を達成するとの力強い確約を頂いた。

 訪問時の保健省からの最新の報告では、2014年の有病率は1万人中1.27人。2014年の公式記録では新患者数は31,064人、12月31日時点で治療中の患者は25,738人とも報告された。しかし、治療完了後の患者が、いつもただちに登録患者簿から消されるとは限らないため、実際の数字はこれより少ないということであった。

 今回はボリビアとの国境沿いに位置するマトグロッソ州という最も有病率が高い地域と、ペルナンブコ州という北東部の沿岸地域の二か所で現場視察をおこなった。特に、マトグロッソ州では、州都クイアバ付近のハンセン病患者のいる家庭を訪問し、看護師や医師の診断に立ちあわせてもらった。その結果は、かなり深刻な状況であった。

 短時間の診察の結果、どの家庭でも複数の疑わしい家族が見つかった。まだまだブラジルには隠れた患者が多くいることが考えられる。一人でも患者のでた家族については、他の家族に感染していないかどうかを確認することが重要であると改めて強く感じた。マトグロッソ州では、州知事がハンセン病の問題を深く憂慮しており、州保健局、州立大学、NGOなどの連携によるハンセン病制圧のためのプロジェクトを協力して立ち上げることが決定された。

 まずは保健大臣が発言されたように、今年末の国レベルでの制圧達成を強く期待したい。これは、実現されればハンセン病との私たちの長い闘いの大きなランドマークとなる偉業である。次には、全州レベルの制圧と、州の中のホットスポットと言われる高蔓延地域の対策である。保健省の取り組みに敬意を表するとともに、更なる活動の強化を期待してやまない。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平