公益財団法人笹川記念保健協力財団
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WHO Goodwill Ambassador's Newsletter For The Elimination Of Leprosy

制圧大使メッセージ:新たな決意が必要だ

 2013年7月にバンコクで行われたハンセン病サミットで、集まった17の蔓延国の保健大臣らが「バンコク宣言」に署名してすでに3年がたつ。宣言には、都市スラムとか国境地帯、あるいは少数民族の居住地域などのポケットといわれる場所で隠れた患者の早期発見を徹底的に進めることと、目に見える障がいをもつ患者を2020年までに100万人に1人以下とすることが詠われた。この目的を支援するために日本財団は5年間、総計2000万ドルの資金援助をWHOと蔓延国政府の活動に拠出することを約束した。

 その後、状況はどれほど変わったのだろうか?2015年の全世界の新患者数は210,758人であり、2013年の新患者数は215,656 人だった。数字の上では大きな変化があったとはとてもいえず、皆の総意で宣言を出したにもかかわらず大きな進展が見られないことを私は危惧している。

 インドはバンコク宣言の署名国のひとつである。そのインドの2015年の新患者数は127,326人で全体の60%を占める。そのインドで、J.P. ナッダ(J.P. Nadda)保健・家族福祉大臣のもとでハンセン病の国家制圧プログラムが強化改善されて進められておりそれについて大臣が、10月8日の新聞紙上で素晴らしい成果を明らかにされた。

 このプログラムは、各戸ごとの調査を含む新患発見のキャンペーンと患者の診断のための照会サービスである。まず第一期は7つの州の50のディストリクトでの調査から始まった。その期間中に65000件の疑わしいケースが見つかり、そのうち4000人が患者と診断されたという。第二期の調査はこの9月に始められた。

 大臣はスティグマについても記事中で触れられた。病気に打ち勝つためには、社会の側のハンセン病に対する態度が変わらねばならない、人々を治療に来るようにさせるためには、スティグマをなくすことが重要だと表明された。

 願わくは、バンコク宣言に賛同した諸国が、インドに続いて、新たな決意をもってハンセン病制圧活動を活性化して欲しいものだ。2013年に皆で誓った、「ハンセン病のない世界を実現するため、われわれの政治的責任と活動の指針を再認識しよう」“Reaffirm our political commitment and guidance towards a world free from leprosy”という宣言を忘れないでいただきたい。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平