[会長ブログ ― ネコの目]
全生園の納涼祭

8月8日、国立療養所多摩全生園(タマ ゼンショウエン)の納涼祭に参りました。
蒸し暑い夕方、まだ、日は高かったのですが、療養所のグランドには、紅白模様の幕をめぐらしたやぐらが組まれ、療養所スタッフたちが威勢よく太鼓や鉦を打ち鳴らし、盆踊りの音頭が響きわたっていました。やぐらから四方八方に広がる提灯のすべては煌々と輝き、グランド周りにしつらえられたテントやイスは申すに及ばず、周辺の通路という通路、また、近くの園内住宅のお庭にもブールーシートや花むしろ、ゴザが拡げられ、聞きしに勝る雑踏ぶりでした。
笹川財団スタッフの私どもが、家族や知人を誘って三々五々会場に着いた頃、盆踊りはまだ始まっていませんでしたが、生ビール、ラムネ、たこ焼き、焼き鳥の出店はけっこうな繁盛ぶり、蛍光を発するおもちゃを振りかざした沢山の幼児たちの歓声もあちこちで弾けていました。私どもも負けじと、早速に生ビールを頂き、一息入れました。

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多摩全生園は、現在、日本にある13ハンセン病療養所のひとつ、1909年開設以来104年目です。そのホームページの園長ご挨拶にもありますが、現在、入所されている方々はすべて本来の病気からは回復され、後遺症や高齢化による健康の衰え、あるいはハンセン病と違う病気での治療を受けておられます。
やおら、踊りが始まりました。浴衣姿にきりりと夏帯をお召しの方は、さすがに見事な踊り、一方、タンクトップに背中に「祭」の法被姿の踊り手は、ちょっと頼りなげな手つき足つき・・・その間で、ちょこまかと可愛い作務衣やハッピ姿のちびっこ踊り手が入り、一段と盛り上がります。
2,3の車いすの踊り手もにこやかで、車を押す人ともども、囃子にのって揺れて見えました。

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実行委員長のご挨拶が始まりました。
最大1500人を超える方が療養された全生園ですが、現在は、平均年齢は83歳を超えられる232人が居住しておられる104年の歴史・・・・ハンセン病関連にたずさわってわずか数カ月の私には、ここであったご苦労や悲惨を述べることはできませんが、往時を偲ぶことは可能です。しかし、実行委員長の張りのあるお声、よどみなく滔々と述べられる歴史に、私は、明るい希望と前進を感じました。その思いは、続いて挨拶された東村山市長の、全生園に拠点を置く「人権の森」構想で納得しましたが、すでに保育所が開設されている他、近隣の市民団体などと協力して、色々な活動を繰り広げておられること、私どもも、時に関与させて頂けることを嬉しく拝聴しました。
一連のご挨拶後、踊りが再開されました。
輪は二重、三重に膨れ、差す手抜く手の鮮やかな踊り手、おそろいの法被などなど、興奮が最高潮に達した頃、一転、豪華な花火が空を焦がしました。
盆踊り、出店、花火、(私どもを含め)浮かれた観衆、沢山の子どもたち!! 久しぶりに、と申すにはあまりにも長く接したことが無かった、伝統的日本を堪能した一夜でした。
私ども、笹川記念保健協力財団は、日本財団と協力して、世界のハンセン病対策に関与させて頂いて40年、全生園の半分ほどの歴史ですが、今後も引き続き、努力を続けて参るべしと、決意を新たに、心地よい汗とともに、全生園にお別れしました。