[会長ブログ ― ネコの目]
日中・日韓・・・民間国際交流の役割

先週、ふたつの国際的催しに参加させて頂きました。
ひとつは日本財団、公益財団法人日中医学協会、そして私どもが関与する「日中笹川医学奨学金制度代35期研究者 研究報告会・研究修了式」。わが国での1年間の研究を終えた30名の中国人保健医療専門家の発表会とその後の歓送会でした。
本制度が開始された1987年、近代化を目指す中国への医療支援として北京に建設された中日友好病院で勤務した私には、昨今のギクシャクした日中関係が、まるで違う二つの国のようにも思えます。国が発展しさえすれば、何もかも良くなるのではない・・・残念ですね。
その当時の中国では、日本なら、どこの病院検査室や大学実験室にでもある試薬が調達出来ず、中国人医師たちと悔しい思いで実験を中断したこともありました。今回、多岐にわたる受け入れで、ご指導された日本の先生方のご薫陶もありましょうが、達者な日本語以上に流暢な英語で成果を発表する中国人研究者たち。テーマは、インフルエンザウイルスや悪性腫瘍の基礎研究から臨床医学、看護、疫学、栄養などなど、難しい最新の知見を含め、久しぶりに広範囲の「耳」学問をさせて頂きました。
今までにわが国での研究を終えた2,188名の中には、13名の総合大学学長を含め、中国保健医療界の指導者になっておられる方々も沢山おられます。歓送会では、日本滞在も十分楽しんだ様子の12名の女性たちから、色々な経験や失敗段もうかがいました。
大辛苦了(ご苦労様でした)。祈愿活跃(ご活躍を祈ります)。
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日中笹川医学奨学金研究修了式で、女性の参加者と
次は、主催は韓国アジア研究基金(ARF)、後援が日本財団の日韓シンポジウム「新しいリーダーシップ平和と繁栄のための日韓関係」です。
ARFは、1995年、「日韓相互理解の促進と新たな協力体制の構築を目的に、日韓の歴史と社会・文化に関する研究、北東アジアの安全保障と平和に関する研究、北東アジアの経済と産業協力に関する研究を実施する」ため、日本財団と延世大学が共同設立されました。最近、日中よりもギクシャク度が高い様な隣国ですが、研究者を中心に若手リーダーにとり有意義な意見交換の場として、政治・経済・メディアをテーマにしてシンポジウムが開催されました。
前者の日中は、難しくとも、私には馴染みの医学の範疇に対し、こちらは、新書版程度の知識しかない国際関係、優れた同時通訳であり、權哲賢前駐日韓国大使の基調講演ほか、シンポジスト各位の丁々発止の議論も真摯な意見交換も、司会者の丁寧なまとめもよく聞き取れました。日韓関係への理解が深まった・・・とは申せませんが、関心はやはり広がりました。
日中も日韓も、とりわけ中国や韓国が身近でカジュアルでもあった12年間の福岡生活とは、当たり前ですが、異なる面があることを改めて実感するとともに、国をなすのは住民、そのレベルの交流がさらに重要になるのではないか、思いました。
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日韓シンポジウム「新しいリーダーシップ平和と繁栄のための日韓関係」の両国語プログラム