[会長ブログ ― ネコの目]
急性そして慢性の人口減少

10月18日、福岡県朝倉市の小学校で、「世界の子どもといのち」の授業をさせて頂きました。当地に古い空き家をお借りしたことからのご縁ですが、偶々、旧職場の日本赤十字九州国際看護大学/大学院卒業生にここの出身者がいたことから、彼女を含む一期生二期生それぞれ2名がボランティアに加わってくれました。まず、世界の子どもたちの写真を見せ、次いで、セネガルでの勤務経験のある卒業生が現地の子どもの姿を説明し、そして、日本のボク等ワタシ等と、世界の子どもとは何が違うの?何が同じなの?と、一期生が質問しました。沢山の答えが出ました。そして、財団日野原名誉会長の「いのちの学級」に倣い心臓の拍動を聴き、脈を感じてもらった上で、生きること、いのちの大切さを話しました。
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大学から借用した聴診器で、自分の、また、友だちの心臓の音を、最初、ちょっと息を詰めて、そして鼓動が聴こえた時の子どもたちの目は、一瞬、キラキラと輝きました。
夏休みの宿題が掲示された廊下は艶やかな木張り、集まりの前には、3年生の二人が畳敷きの集会場をお掃除してくれました。往時、300名もの児童が在学した校舎は3階建てですが、現在の在校生は40名を切っています。授業の後で、6年は9人だけど、3年は何人しかいないの、1年は・・・・と、子どもたちは屈託なく話してくれました。
10年、20年先のこの地のあり様を思うと、深刻な思いがします。
不謹慎な例えですが、20年以上も前に見学したパキスタンの高山地帯の甲状腺腫の人々を思い出しました。そこでは、長年、ヨード分を含まない岩塩を使用しているため、成人には例外なく、大きな甲状腺腫があります。しかし、甲状腺腫=のどの前の「野球のボール大の腫れ」が、あまりにも徐々に成長するため、誰もそれが異常なものだとの意識つまり病識はなく、また、実際、身体の不具合もなく、つまるところヨード不足にしっかりと順応しているのでした。
徐々に、徐々に、あまりにもゆっくりと、子どもの数が減ってゆくことに対して、何時、何が原因でそうなってきたのか・・まるで慢性の病気のような人口の減少に、地域は順応するしかない、そんな気がしました。
一方、東北大震災のような、大災害による急激な人口減もあります。
こちらは、外部に対しても判り易い、云わば、激しい痛みを伴う急性の病気のようとも申せます。同じような不謹慎な例えですが、アフリカでのエボラ出血熱発症時に現地の方々から云われた科白を思います。それは、「私たちには、毎日、沢山の病気がある。マラリアやコレラで亡くなる子どもも沢山いるのに、誰も来てくれない。世界中から人が来るのは滅多にないエボラが起こった数カ月だけだ・・・」でした。
何時も、何処にでも、関心を持ち続けることはとても難しいことです。でも、どちらの状況にも、いささかでも関心を持ち続けることが本当の国際協力だと思っていましたが、国内にあっても同じことだと思いました。
好評だった「世界のこどものいのち」を継続すること以外に、何か出来ることはないものか・・・妙案はないでしょうか?