[会長ブログ ― ネコの目]
微生物との闘い

週末、
神美知宏氏
谺雄二氏氏  日本のハンセン病の歴史そのものとも申せるお二方が身罷られました。
ここに謹んで哀悼の意を申し上げます。
母の日でもあった週末、全国的に夏日が多かったようでしたが、滞在していた福岡県朝倉市付近では真夏日もありました。まだ5月なのにと、思いましたが、その中、近くの地産地消売り物の道の駅を行脚しましたら、いずこでもお見かけしたのは、親子ともやや高齢化傾向ながら、おそろいでソフトクリームを召し上っておられるお姿、まことにほのぼのとした光景の中で、私も数年前に亡くなった母をしのびました。
さて、世界的な異常気象、地球温暖化について、オバマ大統領も新たな指示を出されるなど動きがありますが、少し、気になる保健問題です。
過去数カ月、アフリカ西部では、エボラ(出血)熱が猖獗を極めています。1970年代に初めて見つかったこのウイルス感染症は、時折、流行しますが、高い致死率と、未だにはっきりとした自然宿主が見つかっていないのです。最近出たNEJM誌では、「エボラ-増強する脅威?」と題した論文で、今やエボラ熱とよばれるようになったこの感染症の最新の知見がまとめられています。
少し、北東に移動した中東では、十年前に東南アジアで発生し、やはり多数の命を奪ったSARSの変異系のMERSコロナウイルス(MERS-CoV)による中東呼吸器症候群が、ゆっくりですが、広がっています。(WHOHP)
たまたま見かけたミネソタ大学感染症センターHPの記事によりますと、大規模なヒト-ヒト感染は起こっていないものの、多くの感染が病院内で発生していることから、保健医療施設に勤務するスタッフの教育に力を入れるべきとありました。
そして、数十年、世界の公衆衛生陣が力を入れて対策を講じ、ほとんど地域で収束したはずのポリオが発生しているとのニュースです。
古い話ですが、20数年前、45度を超える酷暑の中の難民キャンプや、ロバが足を踏み外す狭い崖っぷちの3000メートルを超す山道の向こうの村落を網羅するEPI計画に従事した身としては、大いにがっかりする事態です。これらは、すべてウイルス疾患ですが、なぜ、時を同じくするように、今、問題になっているでしょうか。
真夏日とは申せ、各種色合いのことなるミドリ、緑の自然の中で、心地よい五月の風に吹かれながら、温暖化・・・は、微生物にとって好都合なのかな、とふと思いました。が、古くからある下痢や気管支炎、そして弊財団が協力してきたハンセン病は細菌感染症ですが、やはり、決定的に根治出来るには至っていません。上記ウイルス感染症とともに、これらの感染症がぐずぐずと生き延びている背後には不衛生や知識の不足、そして貧困があることも否定できません。ですから、たまたま時期を同じくしている各種の感染症発生のすべてが地球温暖化の所為だとは思いませんが、少し、気になる事態です。