[会長ブログ ― ネコの目]
曼珠沙華

通称は彼岸花ですが、この花、ホントに律儀です。
年々歳々、日照時間、平均気温、降雨量や湿度も異なるであろうに、水田や、少し水気のある畑の畦道に、きっちり、お彼岸が来ましたよぉと、告げています。福岡での所用のため、この地の寓居に向かう道筋、たわわになった稲田の畦の区切りを示すように、縦そして横に一列に並んでいます。かなり山家なのですが、家のそばの田んぼのそばにも50本ほど。
どうやって、お彼岸が判るの?と花に聞いてみました。全体の花邑がゆらゆらと揺れましたが、無言。そしたら、群生する花の向こうから、突然、小ぶりの蝶が舞い出ました。そんなこと、無粋に聞くなって?すみません。
携帯で写真を撮って、深呼吸をして、さわやかな秋空・・・ではなく、台風が近づいているという曇った空を見上げていますと、近くの松末小学校のボーイズがやってまいりました。
「コンチワ!!」と、夏の名残の日焼け君。まだ、ラニングシャツ一枚。「いつ『帰ってきた』の?」と、当地の仲間に入れてくれています。
「たった今。お花きれい、ね」 二人とも 「・・・・・・」
「本 読んでる?」には、「ウン」と、頭がふたつ大きくうなずきました。
「もうすぐ運動会?」「もうすんだ・・・」  そして、無言でニッと笑って自転車で去ってゆきました。
そう云えば、50年前、トゥキョオリンピックの時でした。
大阪近郊には、まだ、水田が沢山あって、夏の一時期にはカエルの合唱がやかましいほどでしたが、やはり、お彼岸には曼珠沙華が見事な地域がたくさんありました。
その頃のある日、子どもたちが、この花を掲げて一列に走ってまいりました。
どうしたことかと思ったら、オリンピックの聖火リレーだと。
子どもの発想ですが、とても面白く、その行列を眺めたことを思い出しました。
この花はとても特異な姿で、枝も葉も節もない茎の上に花が一つだけ広がっています。水田あたりに多いのは、稲に混入して伝来したとも云われています。が、畦に群生するのは、この花の根(鱗茎というそうです)にある毒が、野ネズミやモグラなどの小動物が畦に穴を開けると、水田の水が逸脱しますが、それを排除するためという理由だと聞きました。今でも、ちょうど水田に適切な水量が必要な時期に、台風や豪雨がくると、時に高齢者が水に流され・・・とのニュースがあります。祖父の代まで、割合規模の大きな農家であった私の家でも、台風時には、祖父や近隣のお年寄りが、夜を徹して水具合を巡回していたことを覚えています。農耕民族にとっては、稲への執着というか愛情が、そのDNAにあるのでしょうか。
また、彼岸花の根(鱗茎)は有毒ですが、デンプンを含むため、時には非常食として使われることもあったそうです。しかし、毒抜きはとても難しく、安易に食べると死亡しますので、ユメユメ、そんなことをお考え召されるな、です。ただ、根(鱗茎)は生薬でもあるのは、多量のアルカロイドなどを含むことから、うなずけますが、何はともあれ、日本の秋を彩るお彼岸の花が見頃です。
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    彼岸花      稲穂    頂いた自家製おはぎ