[会長ブログ ― ネコの目]
看護師の力 (前回 看護の力から続く)

前回の「看護」の力に続いて、今回は「看護師」の力です。
2014年度 日本財団ホスピスナース研修会地方版の仙台での基調講演は、千葉大学大学院看護学研究科教授手島恵先生「今、看護師だからできること-働く意味を見出す」でした。
先生は、看護は有用とか、立派といった情緒的自賛ではなく、むしろ、恐らく日常で、どこでもある現場の問題に、どの様に科学的に取り組めば良いか、何を、どう改革すれば良いか考えよと、叱咤されているようにも聞こえました。
日常看護活動の中で、将来、自分は何を為すべきか、悶モンしている看護者にとっては、厳しい激励でもあったかと思います。先生は、そのために、個々の看護師自らが自己改革を遂げることが必要だと説かれた、と私は理解しました。ひとつの「手段」が、positive thinking(参照「スタッフの主体性を高め チームを活性化する! 看護のためのポジティブ・マネジメント-手島恵著。医学書院 ISBN-10: 4260018914)。これは、誰しも異論なく納得でしょう。
変革的協働を通じたポジティブ感情による拡張効果は、単にあるひとつの看護チームがかかわるケアの質の改善に留まらず、その看護チームが属する組織全体の一体感を形成し、組織の成長を通じて、その組織が位置するコミュニティの成長発展につながるのだと説かれました。
そして、その始まりは看護の現場、個々の看護師の考え方、なのです。つまり、あなたの意識なのですよ、と仰せでした。そして、重要なことは、あなたの、日常の、ホン小さなきっかけが、実は、世の中の改革に繋がっているのだ、という発展性を持った意識改革が必要なのでしょう。当然ですが、それを通じて、複数者の意識改革が現場の力が強化され始めるのです。要は、どこかの「誰か」ではなく、「あなた」が最初のボタンを押すのです、ね。
そのために、何が必要?と、次の説明を待ちました。何だとお思いでしょうか?
「礼節」でした!! ビジネスパーソン必須のスキルとして、グローバル化する「ビジネス」社会において、異なる考え方、異なる価値観の人をつながるツールは礼節だと説かれました。
「看護がビジネスの一部門として、社会に貢献する」などと申すと、「看護」が「ビジネス」など、とんでもないと、柳眉を逆立ててお怒りになる方もおいでかもしれません。そこは、まぁ、「いささかお古い・・・」と対決せず、では、「看護が社会科学の一部門として・・・と申せば、如何でしょうか?」と軽くいなしておきましょう。
看護は社会の中の主要部門として自立し、自律的に力を発揮すべきです。
そして、だからこそ、個々の看護師は、看護師である前に、一人の人間、一人の大人として地域社会の構成員であり、一人の社会人として(国民であり)、一人の国際性を持った日本人として(ある国の看護師として)、激動する世界に繋がっています。そのために、礼節が重要。
ここは、仰せをうかがえば、アッそうだったんだ!ですが、ちょっと目からウロコぼろぼろの感をいだきました。
活動の対象が人間であるが故に、実は、基本の資質である礼節・・・マナーとかエチケットでなく「礼節」。中身が濃い、人間としてdecent(社会的規範からキチンとしている、見苦しくない、礼儀正しい、上品な、質が整っている)看護師の力の総和が看護の力です。
この研修にご参加下さった方、今回は参加できなかった方、そしてそのお仲間のすべての看護者に大きなyell(エール、励まし)を頂いた、と思いました。