[会長ブログ ― ネコの目]
「世界ハンセン病の日」と「第10回グローバル・アピール」

1月の最終日曜日は世界ハンセン病の日(World Leprosy Day)です。
と、偉そうに申す資格など、私にはありません。もし、現在の職場である公益財団法人笹川記念保健協力財団に加わることがなければ、私は、この日のことも、なぜ、この日があるのかも知らないまま一生を終えたことでしょう。縁あって・・など、古めかしい云い方ですが、ここに来ない限り、関心をもつことも見ることもなったことでもあります。しかし、開発理論にある「見た人の責任」という言葉とともに、最近は、究極の感染症とも云える、興味深いこの疾患・・とそれを持つ人々について働く機会を得たことをありがたく思っています。
まず、なぜ、1月最終日曜日なのかです。ハンセン病に特に関心の高かったインドの聖者ガンジーが亡くなった日(1月30日)に近い日曜日がゆえんと聞きました。今年は、昨日1月25日でした。
さて、詳しくは当財団HPをご高覧頂きたいのですが、わが財団は、41年前、日本財団創設者笹川良一翁と、ハンセン病が治ることを示したプロミンという薬剤を、わが国で初めて合成された石館守三博士の両先達の歴史的な決意で生まれました。爾来、親財団の日本財団の下、多数の組織的また個人的支援者のご協力を得て、主に海外活動を続けてまいりました。
それに並行して、ひたすらハンセン病者のために貢献してこられたのが現日本財団笹川陽平会長です。ハンセン対策における笹川会長の「特筆すべき」ご貢献は最低3つあると私は思います。まず、1995年、世界のハンセン病者に無料薬剤配布を宣言されたこと(その結果、数年間で患者数が激減したあと、そのプロジェクトはノバルティス社が継続中)、次いで2006年以来、世界初の活動として、この病気にまつわる差別、偏見、人権問題に着手されたことそのご功績は世界最大の法律家団体である国際法曹協会が認めるところとなり、法のノーベル賞ともよばれている「法の支配賞」を、昨年11月、日本人で初めて受賞されました)、さらに2013年、停滞している新規感染者検出を促進するためのバンコック会議をWHOとともに主宰されたこと
(その結果、数カ国が、国を挙げてハンセン病対策に取り組み直している)などなどです。この道たった2年目の私が申すのは僭越至極ですが、これらエポックをなした取り組みの背後にある状況を的確に把握し、会長の目指される理念をどう継承拡散させかがが、私どもの役目、私の責任と考えています。
斯く斯様に、かつて千数百万を数えた年間発病者の多くは多剤併用療法によって、身体変形や機能障害を残さず治癒するようになり、現在の新規発病者は毎年20万人強になりました。しかし、世界中に、まだ、偏見は強く残っており、本人や家族が辛い思いをしているだけでなく、事実上、社会生活が妨げられていることも多い・・・ほとんどそうだと申しても良いほどです。WHOの健康の定義は、身体的、精神的、社会的に全きこととありますが、それらが満たされることは、特にこの病気では難しいと感じさせられます。そして、その二つ目と三つ目にかかっているのが、2006年の世界ハンセン病の日を期して始まったグローバル・アピールです。日本財団では、この病気にまつわる人権問題に関する啓発活動の一環として、差別問題などを世界に訴えるための「ハンセン病に対するスティグマ(社会的烙印)と差別をなくするためのグローバル・アピール」を、毎年、ある職種、機能を代表する人々をパートナーに、世界に向けて発表しています。
2015年、第10回目は、世界の看護師団体をパートナーに初めて東京で開催されます。世界看護師協会(ICN)会長、日本看護協会会長を始め、まだ、問題が残っている国々の看護界代表者の来日もさることながら、133ヵ国の看護師協会の代表が、グローバル・アピールにサインを寄せられます。
偏見は、病気を患っている本人にあるのではありません。
偏見や差別は、病者以外の人間、つまり私やあなたの心の問題とも申せます。常々、看護師は、人々に一番近い保健専門家であり、病人と社会をつなぐことも、その機能の一つと申している私には、明日1月27日の第10回グローバル・アピールはとても嬉しく、晴れがましい催しです。大いに気合を入れて参画させて頂いています。
なお、しばらく、”Think Now ハンセン病キャンペーン”も行っていますので、是非、ご参加を!!