[会長ブログ ― ネコの目]
Cat’s index ネコ指数

昨日2月22日は、ニャンニャンニャンの猫の日でした。
先週は、国立ハンセン病療養所ご勤務の医師、看護師ご一行17名と、多数ではありませんが、まだ、新患発生があるフィリッピンに参りました。セブ、クリオン、マニラでの関連施設見学と同国の患者、回復者を含む関係者との意見交換に加え、WHO/WPRO(西太平洋地域事務所)でも勉強させて頂きました。こちらは、きちんとした報告書作成に委ねますが、ここでは、少し、気がかりな仔ネコちゃんのお話を。
ハンセン病の歴史では、世界的に有名なクリオン島への拠点は、近年、ダイビングスポットとして売り出しているコロン島です。そのホテルのことでした。
朝、一匹の仔ネコがよろよろとロビーを横切りました。そして、小さな岩を組んで作られた池の周りの石垣を登ろうとしました。ネコオタクの私は、世界中、何処でもネコ写真は撮らせて頂きますが、引っかかれたり、噛み付かれたりして感染することもあろうかと、実際にネコを触ることは控えています。
しかし、その仔ネコの、あまりのひたむきさに、そぉっと抱き上げ、池の縁に置きました。仔ネコは、しきりとにおいを嗅ぎつつ、噴出している水の傍に近づきました。が、掌に乗るほど小さい身体の上、骨ばかりにやせた、その仔ネコには、激しく流れる水は危険だと感知したのでしょうか、伸びたり下がったりしたものの、ついに諦めたのか、わずかに湿っている石を舐め始めました。
そうなの、あなたは水が欲しいの?と、私はつぶやいて、同行スタッフからペットボトルをもらい、石のくぼみに水を注ぎました。
仔ネコは、小さな、小さな、そして貧血気味の舌を懸命に動かして水を舐めました。間もなく、疲れたように目を閉じました。私は、仔ネコを池の縁から地面に下ろし、手持ちのクッキーを水で湿らし、その口許に置きました。一、二度、舐めただけで、もはや、それを食べる元気もないようでした。
昔、国際保健専従時、cat’s index(ネコ指数)などと申したことを思い出しました。
成猫はいるが、目つき険しく、ガリガリ。仔ネコはいないような国や地域での、人の5歳未満時死亡率(U5MR)は200/1000出生以上、成猫はやせてはいるが、お腹が垂れ、何度もみごもったらしいメス猫がいるところのそれは100程度など、私なりのネコ指数と実際の科学的数字を比べたことがありました。激しい紛争が遷延しているところでは、ネコはいない・・・など。
あの仔ネコは、恐らく、あの日の内に生を終えだろうと思うと胸が痛みます。が、最後に、気力を振り絞って、水を求めた逞しさ、わずかな水を舐めた後、諦観したように目を閉じた姿。
自然の中で生きるということを教えてくれた、あの小さな命も、また、限りなく尊いものでした。
さて、日本のネコの日は、「日本の猫の日実行委員会」が制定されたものですが、ロシアンブルーのロシアは3月1日、アメリカンショ-ト-ヘア-のアメリカは10月29日、そして国際的には8月8日がInternational Cat Day (World Cat Day)、猫好きには、猫の日が沢山あって、幸せです。

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水を求めてさまよう仔ネコ
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一心に水を飲む
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うずくまって動かなくなってしまった