[会長ブログ ― ネコの目]
アルマジロ

確か1984年か5年だったと思いますが、ブラジルとアルゼンチンで血液学に関する国際学会が続き、団体で参加したことがありました。生まれてはじめて南十字星を眺め、イグアスの瀑布に圧倒され、アルゼンチンワインを賞味したのはこの時ですが、同時に、めぐりあった異な形ながら愛嬌ある生き物がアルマジロでした。行く先々で、木彫り、石彫りの小さなアルマジロ人形を買い求めました。

それから30年後、笹川記念保健協力財団に加わって、この動物が、ヒト以外に唯一らい菌を保持する、つまりハンセン病の自然保菌動物であることを知りました。

“Armadillos”の最多種類が生息地しているのはパラグアイですが、古来、主に中南米一帯に棲んでいた、全身というよりは背面が甲冑のような体表の動物です。スペイン語の“amado(武装した)”からきているそうですが、中世、スペインの南米侵略時に見つけられたのでしょう。
南米では、この動物を利用した楽器(写真1)がありましたが、ちょっと高価でした。

事務所の入り口近くには、テキサスからおいでになった回復者から頂いたアルマジロ人形(写真2)の貯金箱があります。然様に、テキサスでは州動物でもあります。パナマ運河を越えて、アメリカ南部に侵入?したこの動物のうち、ややピンクの可愛い10cm強程度のものは、沢山、愛玩動物として飼われているとか、また、フロリダ、南カロライナなどの南部州だけでなく、中北部ネブラスカやインディアナでも自然生息が見つかっています。

生物学的分類では、哺乳綱異節上目被甲目に属する3科10属の生物の総称をアルマジロとしていますが、現存しているのは、その中のアルマジロ科10種だけです。ボールのように丸まって身をまもると云われていますが、実際にそれができるは2種類だけ。南米で、実際に見たのは仔猫ほどの大きさでしたが、最大のものは、人間並みで尻尾を含みますが体長150cm、50Kgもあるとか。

上記、アルマジロは、低温を好むらい菌に好都合な体温34℃のせいでしょうか、唯一のらい菌保菌動物であることから、当然、ハンセン病の研究には貢献してくれています。
アメリカは、年間100例ほどのハンセン病感染者がありますが、最近、フロリダ州では年間平均の10例にせまる9人が、アルマジロから感染したと報じられています。(ProMED記事)(USA Today記事

フロリダ以外には、州動物にしているテキサスやルイジアナにもアルマジロが多いそうなので、ちょっと、ご留意まで。

アルマジロの楽器 写真1 楽器になったアルマジロ

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写真2 テキサスのアルマジロの貯金箱