[会長ブログ ― ネコの目]
暑い夏……夏は暑い

皆様 暑中お見舞い申し上げます。朝顔

 「夏は暑い!」と云いきれるのは、日本のように四季があって、明らかに春や秋と違う国だからなのだと、私は思います。これまで、数ヵ月以上住んだか、幾ばくかの期間あるいは何度が訪問させて頂いた100余の国や地域では、日本のような春夏秋冬を経験したことはあまりありません。

 春と云えば桜、初夏のあやめ、紫陽花。真夏の朝顔や夾竹桃、お盆の頃のハス、秋の金木犀や、冬の最中の1月でも末となれば梅といった風に、四季折々の花が思われます。そして食べ物には、特に旬のものが大事ですね。今は、冷や奴と鮎でしょうか。

大昔、陸軍通信学校教員だった父の勤務地中国黒竜江省、昔風に申せば満州で1年余りを過ごしました。厳寒の時期、気温零下30度の日も稀ではなかったのですが、ほんの少し戸外に出てしまって、頬を斬られるような寒さを経験しました。幼くて、言葉で伝えられなかったピリピリする痛さに涙ポロポロしたのですが、中国には、「頬を斬る寒さ(切頬的寒冷)」と云う表現があるのを、後年、北京で勤務した時に知りました。この時は、零下20度の夜中に初詣しました。

一転、熱い・・・いえ、暑い方です。

これは1980年代末、パキスタンのペシャワールの経験です。現地新聞に、摂氏52度と出る日は、本当は、もう2、3度高いけど、皆がショックを受けるから低めに書くのだなど、本当かなと思う噂を聞きました。当然、数十人以上が熱射病で亡くなったとの報道もあるのですが、驚いたことは、そんなニュースには誰も驚かないことでした。実際、暑いではなく熱いのです。

 そんな気候の中で、沢山の学びがありました。まず、朝から日中は、絶対に日光を家の中に入れない・・分厚い土の壁の家で、入り口はあまり広くない場合、そこには厚手の毛布のような布が架けられていて、陽光というか、太陽熱を屋内に入れないのです。日暮時、急激に気温が下がりますが、その頃には、毛布ドアを開けて、冷気を含んだ空気を取り入れるのです。昼間、ガハッーと入口や窓を開け広げると、外部の熱気が一瞬で屋内に侵入します。ドア、窓を開けるのは禁忌。昼間は薄暗い屋内でジッとしている・・・野生の生き方です。野良作業も、極早朝の2、3時間です。

こんな時、勢い込んで、植木に水撒きをしてはならないのです。現地の言葉の判らない私が、休日の朝、したり顔で水撒きを致しました。農村出身の朴訥な庭番の青年に大変叱られました。アッという間に、気温が上がって、水滴のついた葉っぱにはやけど跡が・・・・そして、漆喰のテラスは裸足で歩けても、コンクリート部分は、足の裏に火傷します。裸足の時は土の上を歩くものだと、教えて頂きました。やがて、水道は湯道になり、車のボンネットはフライパンよりも暑くなって、卵焼きが出来ました。

 記録された地球上の最低温度は、2013の南極大陸東部の零下93.2度(National Aeronautics and Space Administration, NASA。アメリカ航空宇宙局)、最高気温は1913年7月のアメリカカリフォルニア州デスバレー(death valley、死の谷)の56.7度だそうですが、私は、寒い方はまだまだですが、暑いほうは、最高にかなり近い温度を経験したことになります。

 酷暑、猛暑、激暑などの言葉がぴったりの暑さが続きます。ご自愛を。