[会長ブログ ― ネコの目]
ゴイアニア サルのいる大学

ゴイアニア(Goiânia)は、ブラジル連邦共和国中部のゴイアスGoiás州の州都です。この州の広さは340,086Km2で、日本(377,900Km2)とそれほどかわらないのに、人口はたった480万人ほど(福岡県509万、静岡県370万)、まるで日本の限界集落のような人口密度ですが、年齢層はうらやましいことに若者が多い。首都ブラジリアから南西に210Kmに位置する州都ゴイアニアは人口120万(さいたま市125万、広島市118万)で、ブラジルでは12番目の大都市です。このブラジル中部の高原都市は、そもそも農産物集積地として建設された計画都市だそうです。

さて、第11回ブラジル公衆衛生学会から、Disease for Neglected People(忘れ去られた人々における忘れさられた病気)という題で、財団が世界での制圧に協力させて頂いてきたハンセン病について発表するよう要請を受けたのは3ヵ月前。南米・・・地球の反対側はどう考えても遠いのですが・・・・

 虎ノ門の事務所を出て、成田空港、ニューヨーク、サンパウロと乗り継いで、この地に着くまで36時間。でも、うだるような暑さの日本に比べ、秋から冬という南米のゴイアニア州立連邦大学は、赤道に近く陽射しはきついものの、心地よい気候でした。

この大学は、1960年創設なので、やっと55年ですが、150学部約29,000人の学生を擁する中西部随一の高等教育施設です。ブラジルの国語はポルトガル語ですが、ここではカタロニア語によるコースもあるとか。しかし、何と云ってもユニークなのは、キャンパスにサルがいることです。正確に云うと、サルの居住地に大学を作ったというべきでしょうか。発表を終えてキャンパス内を散策していると、居ました!!(写真)

もう一つ、馴染みのない街の名前で分かったことは、この地でかつて被爆事故があったことです。1987年9月と云いますから、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故の直後のことでした。

廃棄された病院跡に放置されていた放射線治療用の医療機器から放射線源容器が盗まれました。これが転々と廃品業者ら間を渡る間に、容器解体され、ガンマ線(137Cs<セシウム137>)が露出したというか、実はセシウムの光であったのですが、珍しい光に興味を持った人々が、体に塗りつけたりしたそうです。結局、被爆者249名中、20名が急性放射線障害を示し、内4名が死亡した事件です。国際放射線機関(International Atomic Energy Agency, IAEA)報告によりますと、国際原子力事象評価尺度では、米スリーマイル島原子力発電所事故などと同レベルのレベル5、農業州の現地では、やはり風評被害が著しくあったそうです。いつの時代にも、さまざまなリスクがあること、再度確認した次第です。

image      15-08-06 accident in Giania

    ゴイアニア大学のサル           ゴイアニア放射線事故報告書