[会長ブログ ― ネコの目]
身近になった「認知症」~あなたはどう付き合いますか?

12/12・13 公開講座「認知症対応を考える」=に向けて。

タイトルをどうお読み下さいましたか?まず、身近に認知症の方がいて、どう接するか、どう対応すべきかとも読めますが、あなた自身が認知症になったら、その状態とどう折り合うか、とも読んで頂けましょうか?ちょうど、そんなふたつの問いに相応しい回答が得られる調査がありました。

多くのメディアが報じていますが、2015年9月に、内閣府が初めて行った認知症に関する世論調査の概要が発表されました。日本国籍を有する20歳以上の3,000人を対象とする個別面談聴取で、回答有効数は1,682(回収率56.1%)です。

認知症の人との接触の有無については56.4%の方があると回答、二人に一人は認知症と接した経験があるのです。今や、認知症はごくありふれた病態となっているのですが、あると答えた949人中43.5%は、家族にいる(いた)と回答されています。少し、多すぎるような気がしますが、現実はそうなのでしょう。

認知症に対するイメージ、「認知症なっても」、あるいは「認知症になったら」との設問では、認知症になっても、「自ら工夫して、今までの居住地で、今までどおり自立的生活ができると思う」は6.8%にすぎませせんが、「医療・介護などサポートを利用して、今までの居住地で生活していけると思う」は33.5%、つまり、「自らの工夫や保健・医療支援を得て、それまでの生活の場で暮らして行ける、あるいは行きたいと考える」人は約40%に上るのです。注目すべきは、前設問で、認知症に接した経験がある人の38.1%(10人中4人)はサポートあれば、今までの居住地での生活が可能と回答しているに対し、認知症を見たことない人は25%(4人に一人)しかそう回答していないことです。つまり、経験からの学習がかなりあるように思えます。

一方、認知症になると、「身の回りのことができなくなるため、介護施設でのサポートが必要」と考えるは35.9%、「暴言暴力などで周りに迷惑をかけ、今までの暮らしが難しくなると思う」人も7.6%おられる上、「症状が進むと何もできなくなると考える」も10.9%でした。

さらに、自分が「認知症になっても、自ら工夫して、今までの居住地で今までの自立的生活を望む」が13.4%、「医療・介護を利用して、今までの生活継続を希望する」は30.3%つまり、「何とか今までの生活の維持を望む」は40%以上ですが、認知症になると、身の回りのことができなくなるから(20.2%)あるいは周りに迷惑をかけないよう(27.5%)に介護施設で暮らしたいと回答、この設問でも、認知症接触経験者はより多くサポートを得ても、今までの居住地での生活を望んでいます。

しかし、仮に認知症になったら、何が不安か(複数回答)では、「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」が74.9%と最高、次いで「買物、料理、車運転など、今までできていたことが不可能になるのではないか」が56.8%でした。

そして、国や自治体に望む認知症の取り組み(複数回答)では、「利用できる介護施設の充実」が62.2%「早い段階から医療・介護などサポートを利用できる仕組み作り」が61.2%、「家族の負担を減らす取り組み」が60.3%「認知症の相談窓口・体制充実」が57.9%と拮抗しています。

閑話休題。

私どもは、昨年から、地域の保健医療サービスの一翼を担える「日本財団在宅看護センター」を企画運営できる看護師人材育成支援を始めています。2015年1月に最初の8ヵ月研修を終えた一期生の内10名が既に各地で開業し、地域の皆様との連携を深めています。

この度、各地の「日本財団在宅看護センター」でも、上記のように身近になった認知症をささえる看護力を強化するため、来る12月12、13日に「認知症対応を考える」と銘打った公開講座を開催します。2015年12月12日午後から13日午後までの1泊2日です。

認知症チラシ

まず、12月12日(土)午後には、国内外で、長く地域保健のあるべき姿を求めてこられた医療社団法人聖桜会サクラビアクリニック院長堀内正先生からは、「高齢社会の認知症を考える(仮)」と題して、超高齢社会に突入したわが国の、高齢者対象の地域保健医療施設として、認知症とその前段階をどう把握されているのか、そして看護師として、どのような介入が可能か、プライマリーケアの範疇で、また、生活者の視点を入れた解説を承ります。

ついで、最初は障害児に始まり、現在は高齢者をも含む介護保険を必要とする多様な人々と、そのような人のために働く家族やケアワーカーに、時宜を得た、的確な情報を発信し続けてこられた市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰小竹雅子先生には、「認知症の人と介護保険」と題して、如何に適正で、効果的な介護の在り方や介護保険の活用法、そしてますます進行する高齢社会における市民福祉の在り方をうかがいます。

12月13日(日)には、認知症や軽度認知障害の人々のための専門クリニック「のぞみメモリークリニック」訪問看護師水谷佳子先生から、「認知症があっても、今を豊かに過ごし、希望とともに生きる・・・認知症とよりよく生きる」というクリニックの方針に沿い、認知症や軽度認知障害をもつ人々のケアに専従されている中から、「認知症のケア(仮)」の具体例とともに、ご関係の認知症当事者団体様「日本認知症ワーキンググループ」の当事者の方からのお話もアレンジ頂きます。

最後に、「精神科医が脚光を浴びたり、多忙であったりする世の中は、幸せな社会とは思えない」と仰せながら、研究、臨床そして何より人材育成が大事とされ、文字通り東奔西走の認知症の第一人者熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野教授/同大学医学部附属病院神経精神科科長池田学先生から「認知症:その病態と対応(仮)」と題して、社会問題にもなっている認知症についての、科学的医学的な最新の知見を、判りやすくご解説頂きます。

これからますます増える認知症、その対応に看護師は何が出来るか、皆様とともに「看護師が社会を変える」意気込みで、検討してまいりましょう。

多数の皆様、奮ってご参加下さいますよう、お願い致します。

※申込はこちらから⇒ https://system.smhf.or.jp/event/151212/