[会長ブログ ― ネコの目]
Cats in the Philippines

2015年11月の1週間、ハンセン病を担当されている国立療養所の医療従事者ご一行と、第2回目のフィリッピン視察研修にまいりました。

ご承知のことですが、わが国では、毎年のハンセン病の新しい感染者数は1名とか2,3名のレベルです。そして初期段階できちんと診断され治療を供されますので、完全に治癒し、身体の各所に障害を残すことは皆無です。笹川記念保健協力財団は、日本財団創設者笹川良一翁により、41年前、世界・・つまり諸外国のハンセン病制圧のために設立されて以来、その親財団と共に活動いたしてまいりました。設立当時は千数百万人ともされていた世界の年間新患数は、今や年間二十数万まで減りました。が、わが国での毎年の新患の内には、必ず、ミクロネシアなどからの来訪者が含まれるように、物や情報とともに、人の移動が激しくなっているグローバル化時代の感染症対策は、一国だけでは真の解決にはなりません。

わが国での新たな発症者がほぼ皆無ということは、幸いなことではありますが、一方、この病気を担当される保健専門家は患者を診る機会がないことになります。特に体表に症状が明らかなこの病気は、ご参加下さった医師が異口同音におっしゃいますが、百聞は一見に如かずだそうです。

そんな事情を知ったことから、厚生労働省のご指導を得て、財団では、ハードスケジュールな一週間のフィリッピン訪問を企画致した次第です。第1回目の報告同様、間もなく、第2回の報告書も予定していますので、乞ご期待です。

ここでは、私なりに感じた日本とフィリッピンという、ハンセン病に関して一見異なる次元にある国の共通点として感じた2点を申します。一つは隔離をめぐる問題です。毎回訪問するクリオン島は、1906年に、フィリッピン中の患者隔離のために当時の為政国アメリカによって設置され、わが国の長島愛生園のモデルになったところです。ここでは、比較的早く結婚や出産が許されましたが、赤ん坊を手許に置くことはかなわず、日本とは異なる隔離の悲哀がありました。人間の、特に親子の情を踏みにじるのはどこにあっても共通で最も痛ましい問題です。

もう一点は高齢化。日本の療養所ご在住の回復者の平均年齢は84歳です。一方、フィリッピンでは、まだ、小学生や中学生の発症者も見うけられますが、新たな感染者の隔離はありません。ハンセンの原因であるらい菌が極めて感染力が弱い上に、いわゆる多剤併用療法により、多数の菌保持者であっても、服薬後旬日にして他人への感染力を失するからです。で、結局、かつての感染者で治癒してはいるが高齢化した障がい者や身寄りのない方が療養所に残っておられるのです。国全体では、まだ、高齢社会でないフィリッピンの高齢化を先取りしている感ありの、かの国のハンセン病対策は、ある意味、日本と共通しています。ご参加下さった看護系の方のご関心も、この面にあるように見えましたので、何らかの協力も考えてみたいと思っています。

さてさて、今回は、そのフィリッピンの療養所各地でお目にかかったニャンちゃんの写真をご覧ください。

写真 (1)  写真 (5)

写真 (3)

写真