[会長ブログ ― ネコの目]
アメリカからの便り

「ご無沙汰しております」という書き出しのE嬢の便りがアメリカからまいりました。私が期待するグローバルな考え方をもつ看護師です。

「お変わりございませんか。連絡が遅くなり大変申し訳なく思っております」と続きますが、アメリカに渡って約1カ月半、たったその数週の間に、実に興味深い経験と申すより、観察をした様子です。ご本人の了解を得て、【解説付き】で紹介いたします。

こちらの生活にも大分慣れ、今は、近くの語学学校に通っており、2016年2月からは、目的とする大学へ入学予定です。【着々と目指す道をまい進していますが、E嬢が目指しているのは、IT分野です。看護の経験、看護学を学んだことをどう活用するのか、楽しみです。】

何からご報告したら良いか、環境が変わって毎日が新しいことの発見、感動の連続です。まず、語学学校がとても面白いのです。【TOEICは最高レベルの得点、高校時代の留学経験もあり、E嬢の英語は相当レベルであります。学生時代の海外研修や私的な渡航でも、何不自由なく英語を駆使していたというのに、何で今さら語学学校が面白いのかしら、は私の素朴な疑問。】

生徒のほとんどは高校を卒業したばかりの18歳くらいで、大学卒、短期間とはいえ就労経験もある私はクラス最年長であることが多いのです。授業は、色々な国からの生徒からなる20名以下、つまり少人数で、授業中、さまざまな意見が飛び交い、発言しやすい環境はとても楽しいものです。私は最上級マスターコースですが、1カ月経ってみて面白い発見がありました。【E嬢は、実は大変好奇心が強く、対話していると、次から次に疑問を投げかけるタイプですが、ハテハテ、どんな発見なりや?】

まずは語学力、やはり英語が上手いのはフランス人、文法も単語も英語に似ているので、アジア人やアラブ人に比べ簡単なようです。次に上手なのは中国人です。文法が似ているのと、言葉にイントネーションを付けるという点で発音などもはっきりしていて、アジア人なのにうまいなぁと感心します。【なるほど、ね。ただ、国際機関では、presentationをプリゼンタシオン、globalizationをグロバリザシオンなどと発音する独特フレンチ英語も沢山耳にしますがね。中国、確かに四声という独特のイントネーションがあります。中国語は、唇だけでなく舌、口蓋、喉の奥の軟口蓋まで震わす発音、さらに鼻音もあり、発音には口鼻あたりの身体パーツをフル活用しますので、他のどんな語学の発音も、すぐに取り入れる素地があるのでしょう。かつて、北京で働いた時、四声を間違えて、話が混乱したことは一度や二度ではなく、この観察は納得です。】

また、留学しているのは進学クラスにいた中国人が多いようで、聞いてみると、高校は朝7時から夜10時頃まで授業があるそうです。【最近、日本の学生の学習時間が少ないとの報告が散見されます一方、中国や韓国の受験戦争の激しさを耳にしますが、実感させられました。】

面白いのが中東某国の方、すらすら話せるのに、英語は全く書けない、読めない・・・人が多い。文法を読むことができないのに、どうして話せるのか?と疑問に思います(笑)。日本人と真逆だナァと思います。【これは初耳というか、初めて知る情報です。これまで、少なからぬ中東諸国との仕事も経験させて頂きましたが、その際の書類を相手の方々は、ちゃんと読んで下さっていたのかしらん、今頃、ちょっと気になりました。】

さて、日本人はというと、書く、読むはできてもやはりspeakingは苦手。【そうですか、やっぱり。E嬢をして、そう思わせる…日本の外国語学習、本当に何とかしないといけません。】

そして、高校卒業後、すぐにアメリカに来る日本人がとても少ないと思います。私のように、何年か働いてこちらに来たとか、大学を休学して来ている人がほとんど、つまり、アメリカの大学への進学が目的の日本人が少ないということです。【これは、文部科学省も認識されている事態ですが、一朝一夕には変わらない・・・でしょう。また、11月に発表されたアメリカ国際教育研究所Institute of International Education)「(アメリカへの)留学生に関する報告書 Open Doors 2015」 でも、残念なことですが、日本からの留学生のさらなる減少が記録されています。居心地が良い日本から出たくないという以上に、若者が内向き志向になっているのでしょうか。】

勤勉さについては、やはりアジア人(日本、韓国、中国)はまじめ、課題もしっかり取り組みますし、competitiveな面も見られます。一方でフランスやサウジアラビアの方は、やや、のほほんと見えます。(が、サウジアラビアは留学生に毎月18万円程支給しているとか、やはりリッチな国ですね。)ただ、日本人と韓国人とフランス人の性格はとても良く似ているとも思います。恥の文化と言うか、shyでプライドが高い所が似ているなぁと思います。【日本人、韓国人とフランス人の共通性!! E嬢はどうなのでしょうか?と、思いましたが、今どきの若者風に、気に入ったことはメチャ熱心、後は平均点を下がることはありませんが、要領よく・・・だったかなと拝察していました。たぶん、勤勉なのでしょう。】

それから、もう一つ。日本人にとって、アメリカは一時的に英語の勉強や仕事のために来る国との印象もあるように思うのですが、他の国からの(語学学校の)生徒は、こちらに永住したいと考えている人が多いようです。意外なのが、フランス人。自国で仕事を見つけたい、働きたいという人は一人もいません。自分の国の話をする時も、それぞれが自国の独特な文化や面白いテーマ、有名企業について話しますが、フランス人が、積極的に自分の国について話すところを聞いたことはありません。日本人からすると、フランスはクールなイメージですが、ちょっと違う印象を受けました。一方、日本は島国であることや、個々人の性分もあると思いますが、日本に帰って働きたいという人が多いように思います。何といっても、日本人にとって日本は住みやすい国だと思います。【外国にわたった日本人が、その地に<日本族>として独特の地域社会を作ることが良いか悪いかは別として、アメリカにも南米にも日本人コミュニティはありますし、沢山の研究者、実業家、芸術家がそれぞれの国に根付いて活躍もされていますので、この項の、日本人の説明を全面的に是とはしませんが、なるほどなぁと思うことはありますね。折しも、ヨーロッパでは、中東特にシリアからの避難民が激増しています。どの国も、その受け入れに苦慮する反面、高齢化や人口減少と関連付けての対応を検討している国もあるやに聞いています。かつての文化の中心、ヨーロッパからみて、近東、中東そして日本は極東なのです。人種、国の成り立ち、文化、経済発展・・・次の時代はどうなるのか、E嬢が帰国の暁に、感想を聞いてみたいと思います。】

こちらカリフォルニアでは、また日本ブームがやってきています。とりあえず、店の名前に日本語を付けていれば儲かる!と誰かがいっていましたが、日本製のクオリティーの高さが全てにおいて信頼を得ています。こちらに来て、そのことを私もしみじみと感じますし、日本人に生まれたことを誇りに思います。これからも進化し続ける日本であって欲しいと強く思いますし、その一因になれるよう私も頑張りたいです。(先日、プレゼンテーションクラスで、日本のハイテクトイレの話をしました。一票差で2位になりましたが、とても面白かったです。【サンフランシスコには、リトル東京があったかと思いますが、全州日本ブームなのでしょうか?和食は、世界遺産ですしね。】

以下、今後の学習と、その成果を将来どう生かすかの抱負が書かれていました。

E嬢のように、日本での専門教育をきちんと受け、なおかつ、外国で、他分野の研鑽を受け一味も二味も違う専門家となった保健医療者が、日本のさまざまな分野で活躍できる時代になって欲しいと願います。

最後に、「まとまりのない長文、お許しください。昨日、こちらは気温30度まで上がりました。東京は日毎に寒くなる頃かと思います。お身体にお気をつけてお過ごしください。」と。

次の時代を担ってくれるであろう、このような意欲的で行動的で、しかしクラシックな若者とのめぐり逢いを、私は本当にうれしく思っています。E嬢の発展と活躍をこころから期待しています。