[会長ブログ ― ネコの目]
初海外はニューデリー

ご承知のことですが、私ども笹川記念保健財団は、世界のハンセン病対策を行うために、1974年に、現日本財団の創設者故笹川良一翁によって、設置されました。従って、世界のハンセン病に関する問題に取り組むことは、私どもの本務、ちょっと格好良く申せば、raison d’être(レーゾン デテール、存在意義)でもあります。

昨今の仕事のパートナーには、各国のハンセン病回復者やそのご家族を含むNGO/NPOも多いのですが、globalつまり世界戦略的活動は、何といってもWHO(World Health Organization、世界保健機関)とのパートナーシップによります。WHOは、これもよくご承知のことですが、世界6地域に、各地域事務所をもちますが、本部はジュネーブです。1948年に世界の人々の健康とそれを護る保健医療の制度や手段について考え、自らも活動しますが、メンバー国に適切な指導、助言を与えるためにできた国連の1機関です。その中に、GLP(Global Leprosy Programme、世界ハンセン病プログラム)と称する部門があります。

感染者が失明するため、river blindness(河川盲目症)ともよばれるオンコセルカ症やフィラリア症に効果ある抗寄生虫薬イベルメクチンの発明で、昨年、大村智先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されましたが、この病気を含め、世界には、NTDs(Neglected Tropical Diseases 顧みられない熱帯病)とよばれる、17の疾患があります。
私どもが、取り組んでいるハンセン病もその一つですが、上記GLPが、ジュネーブにあるWHO本部から、ニューデリーにあるSEARO(South-East Asian Regional Office、南東アジア地域事務所)に引っ越したのは、この地域には、ハンセン病が最もたくさん残っているインドやインドネシアなどが存在するため、現在、世界の新患数の実に72%がこの地域であることによります。そして、WHOが行うハンセン病対策、つまりGLPの実際の活動のための予算は、長年、私どもの母財団である日本財団が提供してまいりました。私どもは、どの地域、どの国で、どのような対策が必要か、そのためにどの程度の予算配分が妥当か、などを議するための諮問委員会の運営を仰せつかっています。

2016年の初海外仕事は、その委員会で、1月10日から2泊3日の予定で、ニューデリーのSEARO事務所に参りました。昨年までの経過、ハンセン病の現状、そして2016年度計画発表と予算配分を審議する会議は、大変、活発で、予期した以上にたくさんの情報や知見も頂けましたし、良い合意も得られそうです。

さて、そのニューデリーです。最近、一時<イットキ>の北京以上だともされる大気汚染は、やかましく報道されていますし、リアルタイムの汚染がわかるmap などもあり、それらにもびっくりしましたが、本当に来て、見て、感じて、ドッキリびっくりしましたがた。それは、それは鬱陶しい空の様子です。

他国の、芳しくない様を、写真に撮ってブログ化するのは、あまり良い趣味とは申せませんが、さすがに、これではヒドイ!!と思うと同時に、国の開発、就中、経済開発に力を入れると、確かにGDPやGNPといった数字は改善します。しかし、ある時点で、上手な工業化を取り入れないと、早晩、環境破壊が発生することは、かつてのわが国、1970年代から80年代にかけての東欧、21世紀に入っての中国、そして現在のインドの大都市と、改めて実感させられています。

一昨日、夜、到着後、それほど車数は減っているとは思えませんでしたが、車規制の効果でしょうか、常ならず、早くホテルに着いたことは事実でした。先週、先々週がひどかったと聞かされて、少しは改善してこの状態というのもびっくりでしたが、最近、NewsweekCNN 、朝日新聞ONLINEにも、記事が出ていました。一泊二泊の短期訪問者の健康への影響も無視して良いとは申せませんが、あくまで、この地に暮らしている人々へ健康への、慢性的な影響こそ深刻だと思います。

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