[会長ブログ ― ネコの目]
WHOの財団開祖の像

先週、所用でジュネーブに参りました。飛行機が彼の地に近づくと、周囲の山々はもちろん、放牧地やワイン用のブドウ畑は真っ白。雪が舞う日もあって、真冬に舞い戻った感ありでした。

用務の1,2は十数年前に勤務したWHOだったので、合間の時間に、本部一階のコーヒーショップで旧知との面談も可能でした。

コーヒーショップの前は広いロビーで、付近の柱の傍には、いくつかの像が置かれています。
ひとつは、古代エジプト第三王朝ジェセル王から最後のフニ王までの時代の宰相で、世界最古の医師として活躍したイムホテプ(Imhotep, 紀元前2650頃-2600頃)です。1822年、フランスの学者シャンポリオンらにより、ロゼッタストーン(1799年、ナポレオンのエジプト遠征時に見つけられ、後にイギリスの所有となり、大英博物館の人気展示物。古代エジプトの神聖文字/ヒエログラフ、民衆文字、ギリシア文字で同文が記述されている)が解読されて、読めるようになったヒエログリフ(古代エジプトの遺跡に残っている魚や動物の姿も含む神聖文字)では、イムホテプとは、平和と共に来た人という意味だそうですが、実在の人物です。この方、最古のサッカラのピラミッドの設計でも知られていますが、それ以外にも、毎年、洪水氾濫することで流域が潤い農作物がとれていたナイル川が、7年間も氾濫せず、不作から深刻な飢饉が発生した時、王にナイル川水源のクヌム神に土地を寄進するよう進言したとの古文書や、医師として、解剖所見、栄養、治療また身体各部の外傷状態を48種も記載していたことが、後に書かれたパピルスで証明されているそうです。

もうひとかたは、今や、私には身近すぎる存在でもある、わが笹川記念保健協力財団の設立者 笹川良一翁です。実は、財団理事長として、直々に翁の謦咳に触れていないのは、私が初めという、負い目もあるので、財団に参る限り、沢山ある翁の写真に、こっそり挨拶しています。
応接にある大きな写真の翁は、どんぐり眼<マナコ>の、何ともいえない、優しい笑顔ですが、WHOロビーの胸像は、ちょっと改まって、おっかない感じも受けます。ただし、その印象は、その昔の勤務時代、時折、前を通り過ぎた時、横目で拝見していた為かもしれません。

今回、まじまじとご挨拶してまいりました。やっぱり、改まりすぎたお姿と思いましたが、胸像ですから、当たり前でもありましょう。
毎日のように、財団で接する、どんぐり眼の優しい笑顔から、翁の印象が変わったのではありますが、一度も、ご叱責もお褒めも頂けなかったことを、残念に思っています。

16-03-18 良一氏銅像  WHO ロビーの イムホテプ像

    WHOロビーの財団初代会長笹川良一翁とイムホテプ像