[会長ブログ ― ネコの目]
民主主義

参議院議員選挙が終わりました。
今回から18歳選挙権が行使されました。未定稿ながら、法務省資料によりますと、世界192ヵ国中170の国で選挙権が18歳以上です。わが国では、少子化傾向が強まる中での導入でしたが、18歳という年齢が大きな意味をもつ時代と思うと同時に、ちょっと遅すぎかな・・・とも。でも、改めるにnever too late(遅すぎることはない)と思いました。資料によりますと、若い方ではオーストリア、キューバなどが16歳、インドネシアが17歳、遅い方ではアラブ首長国連邦の25歳がありました。20または21歳は21ヵ国。韓国は19歳、台湾は20歳。

さて、選挙権は参政権のひとつですが、立候補して、議員や知事や市町村長になる、つまり選挙される側にまわる被選挙権は別で、参議院議員と都道府県知事は30歳、衆議院議員と市町村長ほか自治体議会議員は25歳です。上限はないようですが、超高齢社会となる今後、**以下も必要かもしれませんね。

ところで、先般、イギリスでは、国民投票が行われ、僅差ながらEU(欧州連合)離脱を決めました。
民主主義国家では、通常、間接民主制をとっています。つまり、日本のように、国民に選ばれた選良(ちょっと❓が増えています)が、国民の意を汲んで、国政に参画する体制です。が、選ばれた人々が暴走し、国民とあまりに異なる意見に変身した場合、あるいは、今回のイギリスのような国の立場を決定することや、憲法改正など、極めて重要な事態の決定に国民投票を用いる国があります。直接民主制でもある国民投票は、皆の意見を汲むことになりますが、たった1回の投票で、重要なことが、右か左か、白か黒かを決めるものですから、とても慎重に扱うべきことであるとは納得できますね。そう簡単に踏み切ったり、同じ主題で繰り返したりすることは不可ですし、何よりも、民主主義が基礎として存在していることが前提です。といって、毎日毎時間、民主主義を唱えているわけではありませんから、国民投票をやるかやらないか・・・今回のイギリスでも、再投票を意図する人々が数百万も出ていますが、本当に国民投票に踏み切るかどうか、その時点で、個々の国民が本当に、本当に真剣でないといけません。

そう申せば、ちょうど1年前、同じくEUからみでしたが、EUが押し付ける財政緊縮策の賛否を問うギリシャの国民投票もありました。こちらは、反対61.3%と、賛成派を大きく引き離した結果で、これを民意として、ギリシャの首相はEUとの強気の協議に入り、それなりの成果を得ました(日経新聞)

ヨーロッパでは、このように、毎年どこかで国民投票が行われていることになります。
さて、直接民主制と申せばスイスが思い浮かびます。国際的に認知された永世中立国は、スイス、オーストリア、ラオス、トルクメニスタンだけですが、そのスイスは直接民主制とも云えるレファレンダム(国民投票権)とイニシアティブ(国民発議権)というふたつの制度、国民権利が確立しています。前者レファレンダムには、議会が憲法改正する際、必ず行う国民投票である「強制的レファレンダム」と、議会が承認した後の法案の是非を問いたい場合、法案公布後100日以内に有権者5万人の署名を添えて連邦内閣に申請できる「任意レファレンダム」があります。住民の直截的反応の形ではありますが、提案が可決するためには投票の過半数の賛成が必要だそうです。
一方、イニシアティブとは、憲法条項の変更・廃止また新条項の導入などなど、いわゆる憲法改正を求めるための国民の提案権利です。が、この権利を行使して国民投票に持ち込むには、18ヵ月内に、有権者10万人の署名が必要です。各斯様に、直接民主制は、人口800万人弱、26州(カントン)からなり、建国時から独立自主性の強い地域集団/住民からなり、実際に、国民投票を主導するのも議会ではなく住民であるスイスだから可能なのかもしれません。

日本も民主主義国ではありますが、最近のように、選ばれた人々が、あえて申しますと、モラル欠損状態にあることを見せつけられますと、選んだ側の責任もさることながら、何か替わる制度が必要なのかしらと思います。イギリスの政治家、首相、軍人そしてノーベル文学賞受賞の文筆家であり、とても皮肉屋サンだったサー・ウィンストン・レナード・スペンサー=チャーチル(1874-1965)の良く知られた言葉に「民主主義は最悪の政治形態のようだ。ただし、これまでに試されたすべての形を別にすればだが。(It has been said that democracy is the worst form of government except all the others that have been tried.)」があります。

民主主義に勝る理念、政治形態があるのでしょうか?とまれ、その日まで、民主主義でやって行くしかない…と覚悟して、より良い関与者でありたい、あらねばならないと覚悟を決めました