[会長ブログ ― ネコの目]
山笑う

俳句の季語に「山笑う」というのがあります。何時の季節かお判りでしょうか?

昨年来、二度目となる全国のハンセン病療養所への表敬を致しています。
3年前には、南から順番にお訪ねさせて頂きましたが、今回は、岡山県の長島愛生園と邑久光明園から始め、東京都の多磨全生園を終えて年末。年が明けて宮城県東北新生園と青森県の松丘保養園、先週は鹿児島県と熊本県でした。

2月2日に鹿児島県に飛び、星塚敬愛園を訪問しました。東京からはかなり暖かに感じた鹿児島で1泊し、壮大な桜島、そしてはるかに開聞岳を眺めました。次いで、新幹線で熊本へ。九州新幹線の南半分はとても沢山のトンネンル続きです。つまり、列車は、山のお腹の中を疾走しますが、合間合間には、濃い緑が美しく眺められます。そして、時には遠方に海もみえます。

菊池恵楓園は、熊本市の北東部に位置する合志市にあります。災害で馴染みのなかった地名を覚えることが増えましたが、町の大半が被災した益城町のほぼ北に位置します。熊本は、周辺で修復工事が始まっていますが、無残な姿が目につく熊本城あたりを含め、昨年4月の地震の名残であろうブルーシートも残っています。世界最大のカルデラ火山阿蘇は、熊本からは見えません。

菊池恵楓園訪問の夜は、福岡県朝倉市杷木に借りている古民家に1泊しましたが、周りは山また山・・・翌日は、その山家の拙宅を出て、有名なクルーズトレイン「ななつ星」も走る九大線の無人駅筑後大石駅から一両だけの列車に乗って、久留米で開催された「日本ホスピス在宅ケア研究会in久留米」に参加しました。列車は、筑紫次郎ともよばれる筑後川の南側を走ります。車窓の南には、まだ、寒いながら、うらうらとした日差しの中で、鷹取山、発心山、耳納山がかすんで見えます。

久留米で一泊後、翌日は再び熊本へ。前熊本県知事で、現在日本社会事業大学理事長であられる潮谷義子先生のお招きで、県の男女共同参画事業の大会でお話しさせて頂きました。その夜は、熊本大学、県看護協会、その他地元のご関係の方々との懇親会を楽しみ、翌朝は新幹線で博多、つまり福岡県へ。久留米、博多と都市圏に近くなりますと、ビルの波ですが、やはりもやっとした山が眺められました。

弊財団の事業である「日本財団在宅看護センター」を企業運営するための看護師研修を終えて、既に開業している仲間と関係者への支援お願い。そして、博多から高速バスで、再び、朝倉市の杷木へ。

突然、思い出したのが「山笑う」、
正岡子規の句の「ふるさとや どちらをみても 山笑う」

です。子規が見た笑っていた山は、どの山なのか・・・ですが、山が笑うのは春なのです。

まだ、寒いです。けど高齢化の視力低下では決してありませんよ。何となく遠くの山がかすんで見える季節になっています。

そして東京に向かう前に買ったのは、福岡拠点の西日本新聞です。このローカルながら、とても興味深い記事が沢山載る新聞の、さらに興味深い聞き書きシリーズは、現在、前述潮谷先生の「命を愛する」です。それを読もうと開いたページは、投書欄なのですが、そのテーマが「山眠る」でした。山が眠るのは・・・冬、山も冬眠するのですね。で、「山滴る」のは夏で、「山粧う<ヨソオウ>」は当然秋ですね。

「山笑う」春は、もうすぐです。

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