[財団ブログ ― ハンセン病]
語り継ぐ:スンゲイブロー療養所

マレーシアのクアラルンプール郊外にあるスンゲイブロー療養所の歴史を語り継ぐ一環として、若者が入所者のライフストーリーを聞き取った体験談集 「A Valley Where Birds and Insects Sing for Hope」 (詳細はこちらをご覧ください: https://www.smhf.or.jp/news/news_hansen/711/) に引き続き、スンゲイブロー療養所の入所者の聞き語りを通してスンゲイブローを中心とした隔離と別離、そして再会を物語る本「The Way Home」が出版されました。

「The Way Home」はマレーシアのジャーナリスト2名が1年半をかけて、入所者との交流・聞き取りを重ねて書かれたものです。著者の一人であるMs Tan EanNeeが初めてスンゲイブロー療養所に足を踏み入れたのは2006年。療養所内での出来事を報道するために出かけました。翌年2007年には東棟の取り壊しが始まります。ただ見ていることはできないと感じたMs Tanともう一人のジャーナリストMr Joshua Wongは、機材を借り取り壊しの状況を映像におさめていきます。

「メディアの世界で働くということは、多くの社会的な出来事を報道するということです。しかし私たちは自分たちの時間と労力をこのハンセン病療養所にフォーカスすることに決めました。中でも引き裂かれた2つの世代を結ぶ非常に脆い関係を取り上げようと決めたのです。大きなリスクをおかしていることは分かっていました。それでもこれまで見落とされてきたこのライフストーリーは、無限の価値を持つ人生の証であることが、そしてそれを残していくことは必要であることが分かっていたのです」

2009年から1年半をかけ、入所者、第2世代、そしてそれらの人たちに関わる孤児院や施設の人たちを丹念に追った本書は、一人一人の異なりユニークな人生を語りながらも、ハンセン病という病気がもたらす子どもたちとの別離、引き裂かれた家族との再会への熱望などの共通点を浮き彫りにしています。

現在「The Way Home」は英語・中国語が出版されています。
マレーシアのハンセン病について、引き裂かれた家族の想いについてご興味のあるかたは、是非ともご一読ください。ご購入を希望される方は、下記までご連絡ください。
Ms Lim Mei Kim: meikim@hotmail.my

1冊45リンギ(2012年10月当時、約1150円)です。ここからあげられた収入は、スンゲイブローの歴史を語り、ここで生きてきた人たちやその家族の証を残すためのウェブサイト構築に使われます。
The Way Home front and back.JPG