[財団ブログ ― ハンセン病]
モーハン

明日から東京の国立ハンセン病資料館で2日間のワークショップ、その後岡山に移動してシンポジウムを開催いたします。
議題は「ハンセン病の歴史保存」について。
フィリピン、マレーシア、オーストラリア、ブラジル、台湾から専門家が集まります。
今日はそのワークショップに先駆けて、ブラジルのモーハンの皆さんが赤坂のオフィスにご挨拶に来てくれました。
代表のArturさんとその息子さんのArtur Jrさんは、ハンセン病にまつわる様々な問題を改善するためにエネルギッシュに活動しています。
彼らが入って来た瞬間、ぱっとオフィスが明るく感じられたのは、そんな彼らの発するエネルギーのためでしょうか。http://www.morhan.org.br/
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この機会に明日からのテーマでもある「ハンセン病の歴史保存」に絡めてモーハンの歴史を少し紹介しましょう。
モーハンは、自らもハンセン病の回復者であるバクラウ氏によって、ハンセン病患者や回復者の社会復帰を目指し、1981年に設立されたハンセン病の回復者組織です。現在、モーハンはブラジル国内のハンセン病に関する保健政策にも影響を与える組織となっています。
バクラウ氏は6歳で発病し、ブラジルのハンセン病患者隔離政策により21年間という年月を療養所で過ごしました。独力で勉強したバクラウ氏は、療養所を出たあと小学校の教師になり、2冊の本を書き、詩を作り、歌を作り、60の団体からなる全国障がい者連盟の執行委員となり、ハンセン病患者・回復者を中心とする社会復帰運動「モーハン」を立ち上げるに至ったのです。氏の人生そのものが厳しい偏見と差別の対象であったハンセン病回復者が、病気と偏見を克服し、人間として豊かな人生を送ることが出来ること、そして尊厳ある人生を送ることができる社会を築くことができるという希望と可能性を示唆しているといえるでしょう。
病と偏見を乗り越えて、モーハンという組織を国の政策にまで影響を及ぼす存在へと導いた一人の指導者。その「歴史」を知ることは、ハンセン病という枠を超えて、病や偏見に苦しむ多くの人々に勇気を与え、個人の無限の可能性を信じる力を与えてくれます。
そんな「歴史」の保存について、世界レベルの人々が集まり語り合う機会が明日から始まります。