[財団ブログ ― ハンセン病]
国立ハンセン病資料館の運営の基本とは・・・?

国立ハンセン病資料館(http://www.hansen-dis.jp/)の前身は、高松宮記念ハンセン病資料館と言います。
日本の療養所は文芸活動が活発で、この文芸活動に関わっていた人たちが使っていたのが、1970年代半ばに作られたハンセン病図書館です。ハンセン病図書館も使用する人が徐々に減り、図書館の今後が協議されて出来たのが高松宮記念ハンセン病資料館です。
10月24日と25日に開催された、歴史保存ワークショップの場で、高松宮記念ハンセン病資料館の創設メンバーの1人で、現在の国立ハンセン病資料館の運営委員、そして積極的に語り部活動をしている平沢保治さんに話を聞きました。
「ハンセン病の歴史は自分たちが語らなければ、社会から忘れ去られてしまう。
忘れ去られてしまえば、どのようにして自分たちが生きてきたのかも忘れ去られ、
なぜ生きてきたのか分からない、という切実な思いが、歴史を保存しようという思いにつながった。
当初はこれに賛同する人は少数。入所者の大多数が、資料館の設立には反対した。
ようやく心安らかに暮らせるようになってきたのに、なぜいまさらハンセン病の歴史の資料館を作り
偏見や差別を呼び起こすようなことをするのか、と反対する人が大多数だった。
しかし私は資料館の運営の基本は次の3つにあると思う。
我々が幸せになれる社会は、社会の皆が幸せになれる社会であること。
我々の運動は我々だけの運動ではなく、社会に寄与する運動であること。
共に生きる社会を作らなくてはならないこと。
ハンセン病の資料館は、ハンセン病の歴史を伝えるだけではなく、社会の進歩に役に立つための資料館であり、生きるとは何か、命とは何なのかを問いかけ、またそれを目指す資料館である」
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今回の歴史保存ワークショップでは、さまざまな立場の人が参加をしました。
多くの重要なポイントが再認識されたのですが、その中でも強調されたのは、回復者や当事者の視点が失われてはならないことでした。
専門家が歴史的な建物を保存したり、歴史的な記録を収集したり、それを展示するなかで、回復者やその家族の話が「触れられる」だけではなく、自分たちの歴史、自分たちの場所の歴史を、自分たちが語ることを、専門的な知識を持った人たちがサポートしていくことが期待されます。
平沢保治さんは、国立ハンセン病資料館でも、語り部活動を行っています。
ハンセン病の歴史が現代の私たちに問いかけるもの、そして将来に語りかけるものを
シンプルで力強い言葉で話してくださいます。
ご興味のある方は、国立ハンセン病資料館までお問い合わせください。
(H)