[財団ブログ ― ハンセン病]
新しい風:スンゲイブロー療養所

マレーシアのスンゲイブロー療養所の歴史を語り継ぐために出版された「回家 / The Way Home」の著者の1人であるMr Tan EanNeeは、同著の出版後も、スンゲイブローの入所者と第2世代を結ぶための取り組みを精力的に続けています。自分1人だけではなく、多くの人を巻き込み、スンゲイブローと向き合っていきたいという思いから、彼女はスンゲイブローの問題に取り組むCare and Share Circleを立ち上げました。

スンゲイブローの入所者は、日本の療養所とは違い、子どもを持つことが許されていました。しかし子どもの多くはマレーシア内外の家庭に養子に出されました。近年になり数十年の時を経て、スンゲイブローで暮らす両親と再会を果たした人もいますが、生きているうちに子どもとの再会はできないと諦めている人も多くいます。

2012年11月末にCare and Share Circleは若者たちによるスンゲイブロー療養所での3日間にわたるキャンプを組織しました。入所者との交流を目的としたキャンプを終えた学生リーダーの言葉です。

「私たちは、このキャンプでスンゲイブローに行って、お年寄りを励ますんだと思っていました。でもキャンプが終わって、励ましてもらったのは、自分たちのほうだったことに気が付きました。スンゲイブローのみなさんの話を聞かせてもらい、諦めないこと、闘い続けることを学びました。私たちのこれからの人生をどう生きるべきなのか考えるうえで、得難いものを受け取りました」

このスンゲイブローでのキャンプと似ているのが、これまでにも何回かブログで紹介をしたワークキャンプです。(こちらもご覧ください: https://www.smhf.or.jp/news/news_hansen/776/
2001年に中国の広東省で始まったハンセン病定着村ワークキャンプは、飛び火してインドネシアやベトナムやインドでも始まっています。学生たちが村に泊まり込み、道路の舗装や家の修繕などをしながら、村の人、村の周囲に住む人、働く人の心を変えていくワークキャンプ。スンゲイブローでは「ワーク」の部分はありませんが、高齢の回復者に何かをしてあげたいと思って行ったのに、反対に自分が受け取っているものの豊かさに驚いた、というのは、ワークキャンプに参加する学生からよく聞きます。

その国や場所によって、歴史も環境も文化も違い、一つのアプローチがどこでも有効だとは限りませんが、今またマレーシアという国で、若い世代がハンセン病問題に積極的に取り組んでいこうとする兆しを感じ、大きな刺激を感じます。

Care and Share Circleについては、こちらもご覧下さい。素敵な写真がたくさん載っています。
http://www.facebook.com/pages/%E5%9B%9E%E5%AE%B6/242419369130828?ref=hl