[財団ブログ ― ハンセン病]
世界のハンセン病セミナーシリーズ エチオピア

3月12日に「世界のハンセン病セミナー第1回 エチオピアのハンセン病回復者団体ENAPALの歩み」が開催され、元事務局長のMr Menberu Adane YihunieにENAPALの歩みについて話してもらいました。
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現在でも1年間で4000人以上がハンセン病と診断をされるエチオピア。
エチオピアの回復者が抱える問題の多くは、病気に対する誤解から生まれています。
その問題とは・・・
*社会行事に参加できない
*隣人や友人からだけではなく、家族や親族からの差別を受ける
*自信や自尊心を失う
*就職することができない
*教育を受けることができず、読み書きができない
*就職できず、物乞いや慈善に頼らざるを得ない
*差別を逃れるため、同じ病にかかった人たちが集まる「定着村」で暮らす
回復者が集まって暮らしていることから、定着村自体が差別の対象とされ、生活環境は劣悪で、住人の多くは気力を失い、物乞いで生計を立て、地方行政サービスも届かず、強制立ち退きの恐怖を抱えながら生きています。
父親が重度の障がいを持つ回復者だったメンベルさんは、アフリカで最大のハンセン病研究センターALERT横にある大規模な定着村で生まれ育ちました。
近隣には父と同じく重度の障がいを持つ人たちが多く暮らしており、自分たちの生活も、環境も、普通と違うと思ったことがなかったそうです。
自分たちが暮らしているのが定着村であり、それは他の村とは生活環境も、受けているサービスも違うことに気がついたのは、ENAPALを立ち上げるために働き始めてからです。
アディスアベバで回復者グループとして立ち上がってから、これを全国組織にするために、当時のカリスマ的リーダーであったアレガさんとエチオピアの全土をめぐりました。
定着村と、そうではない村を訪れ、その違いに気づいて、ようやく、ハンセン病の問題が浮き彫りになってきたそうです。
ENAPALは全国7地域支部と63定着村支部を持ち、会費を払う会員も約15,300人。
回復者だけではなく、障がいを持つ人たちとも連携し、全エチオピア障がい者連盟の創設メンバーでもあります。
現在のENAPALは各地域支部が、それぞれの地域にある定着村支部と協力をし、活動をしていくための基盤強化に努めており、笹川記念保健協力財団も支援をしています。
海外・国内の支援に頼るだけでは、持続性がないということで、積極的に中央・地方行政の協力関係も強化しています。
また、それぞれの地域の緊急的ニーズは、行政、NGOなどの協力を得ながら解決をしていってい
ます。
たとえば・・・
*水のくみ上げポンプがあったものの電気が通っておらず使えなかったアディス・ヒウォットで、電気会社と交渉を続け、伝記を通してもらい、ポンプが常時使えるようになったことで、灌漑が可能となり、農作物を育てられるようになった
*強制立ち退きの危険のあったハワサの定着村の人たちのため、地方行政と交渉の結果、土地を無料提供してもらいました。新たな住居を建てるための住居改善プロジェクト、住居の建築費を返済するための小規模起業のための少額融資・貯蓄プロジェクトを同時に行い、安全な住居と収入源を手に入れた
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など、各地でさまざまなパートナーと協力をしながら、ENAPALは着実に回復者の尊厳を取り戻しつつあります。
(H)