[財団ブログ ― ハンセン病]
はばたくクリオン笹川奨学生

笹川記念保健協力財団は1985年から回復者やその子どもたちの教育支援を行ってきましたが、近年は特に高等教育に力を入れています。
フィリピンで高等教育支援を開始したのは2008年。
クリオンにも、大学入学から卒業までの教育支援をした学生、そして
政府機関から認定された職業訓練を受けた学生がいます。
マニラの大学で看護学を学んだクリスティ・レーン・イバルダローサは、現在、地方の病院で勤務中ですが、クリオン療養所ならび総合病院の看護師のポストに空きが出た時点でクリオンに戻ってくる予定だそうです。
恥ずかしがり屋で、すぐに赤面していたクリスティ・レーンは、大きく成長しました。
理学療法を学んだドナ・ギャカソンは、資格を取得し次第、同じくクリオン療養所ならび総合病院に就職をする予定で、早く戻って働き始めたいと高い意欲を見せていました。
頑張り屋のドナは、マニラの大学でも常に上位の成績を収めました。
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高等職業訓練は、就職につながりやすいコースに優先順位を置いています。
近年急速に観光化が進みつつあるパラワンでは、これからは観光業がのびると思われるため、クリオンではホテルやレストランなどの就職につながる職業訓練にも力を入れています。
この卒業生たちが何人か働くのが、眼下に海を見渡すホテル マヤです。
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ホテル マヤは、長い歴史のある建物です。1933年にクリオンで患者やその家族のために尽くしていたシスターたちが、主にハンセン病にかかった女児のための寮を作りました。150人ほどが暮らしていたこともある由緒ある建物です。1963年には2階部分に、ここで暮らす女児のための学校が併設されました。その後、男児の受け入れに伴い、この建物から他の建物に、学校施設も移され、1998年には閉鎖。
この歴史的な建物を保存しながら、かつ活かすために、ホテルとしてオープン。
観光関連の高等職業訓練を受けた学生たちが勤めるようになったのです。
さて、ホテル マヤのサービスはどうかというと、さすが高等職業訓練を受けただけあります。
ご飯もおいしく、部屋も清潔で快適。
毎日部屋に戻ると、タオルが鶴になっていたり、犬になっていたり、象になっていたり。

療養所だから、ハンセン病の隔離島だから、何もないからクリオンには行かない、という時代は
変わりつつあります。
現在では地域の総合病院として、近隣の島からクリオンに治療を受けに来ます。
同様に、クリオンの若者たちが、身に付けた知識や技術を使って、外の社会でも活躍できるようになってきました。
(星野)