[財団ブログ ― ハンセン病]
フィリピン歴史保存 その2

フィリピン歴史保存 その2
フィリピンの『ハンセン病歴史ウィーク』第2幕の舞台はクリオン島でした。
クリオン総合病院・療養所に国立歴史委員会から「歴史的史跡」の認証授与
7月26日(土)9時30分。夏の太陽が照りつける中、クリオン総合病院・療養所が、フィリピン国立歴史委員会による「歴史的建造物」として認証され、調印と記念石碑の除幕式が執り行われました。1906年アメリカ植民統治下のフィリピンで初の隔離療養所として開設されてからの108年の歴史は苦難に満ちたものであったと想像されますが、
https://www.smhf.or.jp/hansen/report/as12_philippines2/
この日の式典で「美しいパラワンのクリオン」を合唱した制服姿の小学生たちは、全てを乗り越えて来るべき未来が見ていたことでしょう。クリオンの人口構成は若者が沢山。成長が楽しみです。この日のためにクリオンの人々が選んだ言葉は「We Overcome」(私たちは乗り越える)。この言葉がプリントされた白いポロシャツ姿があちこちに見えました。

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引き続いて、昨年の台風で屋根や窓に大きな被害を受け、閉館を余儀なくされていたクリオンハンセン病資料館が修復を終えて再オープンしました。再開を祝って飾られている色とりどりの旗にも「We Overcome」。

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資料館は展示や施設整備にまだまだ改善の余地があります。しかし来館者にはまず映像でクリオンの歴史を説明するほか、「語り部」としてみずからの人生を伝えようとする方々が少しづつ増えているのは興味ある展開でした。観光でこの島を訪れる人も増え、資料館も必ずルートに入っている、ということもありますが、3世代4世代が育っているクリオンには、自らの言葉でクリオンで生きた・生きることを伝えてくれる人の存在は大きいものがあります。今後、専門的で組織的な語りの蒐集が必要だと思いました。

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この日のランチは台風からの復興のお祝いもかねての豪華版でした。

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雨期のフィリピンは天候が不安定。突然の黒い雲と大粒の雨にたたられましたが、この日の最後は、これまた台風で破損した「クリオン療養所発祥の地」記念碑の修復完了の再除幕式でした。1906年5月27日午後4時、セブ島から370人の患者たちが沖合に停泊した船から小型船に乗換て、上陸したのがこの地でした。歴史を忘れず、未来に向かう、を象徴するかのように、碑の前には小学校の運動場が広がっています。

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クリオン資料館、上陸地点記念碑の修復は、日本の療養所入所者、モーターボート選手会、その他有志の方々のご寄付により実現しました。ご理解とご支援ありがとうございました。
(ヤマグチ)