[財団ブログ ― 公衆衛生の向上]
マダガスカル共和国の子どもへの支援~手術の決定

患者さんの診察は陽が暮れるころまでかかりました。診察した患者さんはとても多いのですが、さまざまな理由により全員の手術はかないません。貧困により1日1食という家庭も多く、タンパク質など栄養のある食事がとれないため出産した母親の母乳が出なかったり、子どもに十分な食事を食べさせられないなどにより、発育が十分でない子どもとても多い状況です。また、一定の身長や体重があっても、患者さんの顔つきや態度などを医師が確認し、総合的に判断をします。

子どもの口唇口蓋裂の手術は、全身麻酔により行われます。日本で手術を行う場合、術前に患者さんの全身状態の検査が行われていますが、現地で検査は出来ないため患者さんが麻酔や手術に対応できるか、慎重に確認しています。先生が患者さんの両親に、「お子さんが小さいので来年にしましょう」と告げると家族はとても悲しそうに帰っていきます。患者さんが多く、滞在中手術が予定できない患者さんの母親に「今年は手術予定が一杯になってしまったので来年に」と断ると、泣き出しそうになる母親も多くいます。数日前からクリニックアベマリア病院まで片道何時間も歩いたり、バスを乗り継いで来て、何日もじっと子どもを抱き医師の診察を待っていたのですから当然ですね。

しかし断ることもこのような医療支援活動にはとても重要です。その理由の1つは、なるべく夜間連続して手術を行わないためです。日本の医療機関の手術室は、24時間一定の明るさや室温が保たれている所が多いですが、現地の手術室に電灯はありますが、夕方になると室内がとても暗くなります。小さい患者さんの大半は、初めて麻酔をし手術を受けているため、手術中に状態の変化が起こることも考えられます。

一人でも多くの患者さんの治療を望むと同時に、より安全な環境下で患者さんの治療が実施できるようチーム全体で努力しています。
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西陽が当たる時間は術者の背中が暑くなり、陽が暮れると
すーっと涼しくなります。
室温も自然のままの状態です。