[活動レポート ― ホスピス緩和ケア]
緩和ケア実践の工夫、認知症高齢者の終末期ケアガイドラインの研究  ~2016年度ホスピス緩和ケア助成者報告会より~

 ホスピス緩和ケアの充実・向上のための研究助成、その周知啓発のための地域啓発活動助成など、2016年度ホスピス緩和ケア事業における助成者による報告会を2017年6月10日(土)に開催、発表者ら70名余りが参加しました。

 まず、がん患者の最期を迎えるまでのケアの質を高く保つための評価の研究、また認知症高齢者が最期までその人らしく生きることを支えるケアのガイドラインについての研究など、研究助成21名による口頭発表を行いました。続いて地域啓発活動助成・奨学金・海外研修助成者15名に対する質疑応答を行いました。

研究発表の様子

研究発表の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメンテーターとして出席いただいた当財団の企画・審査選考委員の先生をはじめ、会場からの活発な意見交換や、情報交換が見受けられました。筑波メディカルセンター病院理事の志真泰夫先生からは、「緩和ケアについて、海外からの輸入の時期はそろそろ終わりを告げている。今は輸入品を日本で咀嚼して、日本の文化や価値観を含み作っていく時期だと思う。日本のアイディアを持って海外との共同研究を進めるというのが次のステップであり、今日の発表では、それに値する研究の芽があるような気がした。」とその成果を評価くださいました。

助成者の皆様には今後、ぜひそれらの視点を持ちながら、それぞれの研究や活動に取り組んでいただきたいと思います。

委員の先生からのコメント

委員の先生からのコメント

会場からの活発な発言

会場からの活発な発言

 

 

 

 

 

 

 

[活動レポート ― 在宅看護センター]
2017年度「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業開講式を行いました。

地域に根差した在宅看護事業所を企画・運営できる経営力をもった看護師の育成を目指す「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業は、6月5日に開講式を行い、4期生15名を迎えました。

冒頭、本事業を全面的に支援くださっている日本財団の尾形武寿理事長より、「これまでに開業した先輩たちとのネットワークを活かし、業を興すという大きな挑戦に立ち向かって欲しい。そして残された人生を自宅で過ごしたいという療養中の人々や高齢者の望みを叶えるべく、インクルーシブな社会を一緒に作りましょう。」と祝辞をいただきました。続いて当財団会長の紀伊國献三から、「まわりにある多くの問題を解決するために、たとえできることがその一部だとしても、できるだけ大きな夢を描いてほしい。そして、起業とはすべての責任が自分にあることを自覚してください。」と激励がありました。

受講者代表からは、「修了式には、看護力の増強はもとより、経営力・判断力・コミュニケーション力・コーディネーション力を十分修得し、またそれらを行使して、地域に根差した在宅看護事業所を開設し、多職間協調も視野に、人々が必要とする看護を365日、24時間提供することを声高らかに約束できることを目指して自己研鑽に励みます。」と力強い決意表明が示されました。

受講者代表の挨拶

受講者代表の挨拶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから8ヶ月の研修が始まります。来年の今頃には、4期生による新たな在宅看護センターが続々と開所し、1,2,3期生による既存の「日本財団在宅看護センター」に加えてのさらなるネットワーク化が全国に拡充されることでしょう。

全員で記念撮影

全員で記念撮影

 

 

 

[活動レポート ― 公衆衛生の向上]
放射線災害医療サマーセミナー2016報告書が出来ました

2016年8月22日~27日の6日間、医学部、看護学部、薬学部等の学生対象のセミナー「放射線災害医療サマーセミナー2016」を福島県立医科大学、長崎大学と共催で実施しました。3 回目となる今回は、東北から九州まで全国16 名が参加、前半2日間は福島市内で講義と演習、3日目以降は川内村に滞在し、福島第二原発、田村市の甲状腺検診、長崎大学川内村復興推進拠点による現場学習、夏休み子ども教室での交流、健康フェスタでの住民交流を実施しました。震災から5 年経過した今、福島とそこで暮らす人々の現実と思いを、自身の目で見て考え感じる機会となりました。

セミナーの概要をまとめた報告書が出来上がりましたので、ご覧いただければ幸いです。

サマーセミナー2016報告書

サマーセミナー報告書2016

[活動レポート ― 公衆衛生の向上]
「国立ハンセン病療養所医療従事者フィリピン視察2016報告書」が完成しました

2016年11月、第3回 国立ハンセン病療養所医療従事者のフィリピン視察を行いました。医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、義肢装具士、介護士の多職種17名の参加者に、クリオン、マニラ、セブの6か所の訪問先(医療機関、ハンセン病療養所、世界保健機関)のレポートをまとめていただきました。参加者のアンケートのまとめ、訪問先の講義資料も掲載しています。

フィリピン視察2016報告書

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[活動レポート ― ハンセン病]
ハンセン病の歴史を人類の遺産として語り継ぐ

長く人類を苦しめてきたハンセン病は治る病気となり、患者数も大きく減少しました。過去の病として見られるようになったハンセン病の記録や記憶は、現在、急速に失われようとしています。その中で、本人だけではなく家族や親族さえも厳しい差別の対象となったハンセン病の歴史を語り継ぐ試みが、世界各地で始まっています。
人類の遺産として
ハンセン病が治る病気となり、半世紀以上が経ちます。特に、特効薬である多剤併用療法(MDT)が使われるようになった1980 年代以降は、世界各地でハンセン病の対策活動が大きく進展しました。その結果、各国の保健政策におけるハンセン病の優先順位は低くなり、予算も人材も縮小しています。それに伴い、ハンセン病施設も閉鎖や縮小に追い込まれ、これまで蓄積されてきた貴重な記録や知識は急速に失われています。ハンセン病は医学的な疾病の一つであると同時に、極めて厳しい偏見と差別を伴う、社会の病の一つでもあります。世界各地でハンセン病を生き抜いた人々は、名前、故郷、家族、友人を失い、過去から切り離され、社会とのかかわりを断たれました。しかしそうした中でも、人間として、内から強い光を放ちながら生き抜こうとした軌跡は、人間の持つ計り知れない力と可能性を表しています。ハンセン病の歴史は、長い差別と苦難の「負の遺産」というだけではなく、現在、そして将来へと語り継がれなくてはならない、「人類の遺産」でもあります。
歴史を語り継ぐフィリピン
残念ながら、ハンセン病関連事業の予算が大きく減少する近年、歴史保存に取り組む団体や機関は、極めて限られています。笹川記念保健協力財団は2000 年代前半から、自らの歴史を残そうという地域の歴史保存の取り組みを支援してきました。その一つが、フィリピンのクリオン島です。クリオンは世界最大のハンセン病患者収容施設として、国内のみならず、各国のハンセン病隔離政策に多大な影響を与えました。そのクリオンが、ハンセン病の歴史だけには縛られず、一般地方自治体としての道を歩むという選択をしたのは1990年代のことです。当時は、「生ける死者の島」と呼ばれ、全国から恐れられていた過酷な歴史とは一線を画したい、という想いもなかったわけではありません。しかし、2000 年代に入り、現在や将来を考えるために、過去をなかったことにはできないと、ごく小規模ながら歴史保存の取り組みを始めました。2006年に、クリオン療養所開所100 周年を記念して開館したミュージアムでは、苦難の歴史と、それを生き抜いた人々、それらの人と共に歩んできた人たちの歴史が語られています。
過去と直面し、これを語り継ぐことを通して、当事者は未来への希望を育み、自らのルーツを再確認したクリオンの若い世代は、島の歴史や祖先の来し方に誇りを持つようになりました。ハンセン病の歴史と共に生きてきた一人一人の生きた証しを通し、ハンセン病だけではなく、偏見や差別、あるべき社会の姿、人間の誇り、そして可能性について考える場所とし、近年ではミュージアム目当てにクリオンまで来る観光客が増えています。ハンセン病の歴史を保存し、語り継ごうとする取り組みは、クリオンから他の療養所にも広がり、現在はフィリピンの全8国立療養所で保存活動が行われ、当財団はその支援をしています。
笹川記念保健協力財団は、自分たちの歴史を語り継ぐという取り組みの支援とあわせ、世界的に歴史保存と語り継ぎの機運を高めるための取り組みを支援していきます。

当事者による語り部活動が始まったクリオン

当事者による語り部活動が始まったクリオン

[活動レポート ― ホスピス緩和ケア]
看護の現場におけるスピリチュアルケアとは?

看護の現場におけるスピリチュアルケアとは?

~第16回日本財団ホスピスナース研修会~

 2017年3月3日、質の高い緩和ケアを実践できる看護師の育成を目指し、認定看護師教育課程(緩和ケア・訪問看護)などの研修修了者を中心とした「日本財団ホスピスナースネットワーク」の研修会を、ホスピスナースの代表であるプログラム委員の企画・運営により開催、全国より約100名が集まりました。

 今回の研修会では、日常の現場での患者・利用者、その家族と向き合う中で、これでいいのか、もっと何かできるのではないか、悩み戸惑うことが多いと感じている「スピリチュアルケア」をテーマに取り上げ、本研修会としての「看護の現場におけるスピリチュアルケア」の定義化を目指しました。

 研修はまず、グループワークから始まりました。事前課題を通して各々が前もって整理していた「コミュニケーション」や「スピリチュアルケア」に関する事例や悩みなどを共有しました。

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グループワークで方向性を示す講師

続いてチャプレンであられるお二人の講師より講演をいただきました。

講演Ⅰ「スピリチュアルケアとは」小西 達也(武蔵野大学教授・日本スピリチュアルケア学会理事)

小西先生からは、「スピリチュアルケア」の定義付けについて、望まれながら、絶えず検討されつつも、統一的定義が見出されないまま現代に至っており、容易でないとしながらも、患者だけでなく一般の人へ明確に説明ができるように定義を考えることの重要性を説明いただきました。またケア提供者個人の人間観やあり方がケアに大きく影響すること、そして、患者が生きる価値を見いだせない苦しみ(スピリチュアルペイン)にいる時、自ら納得のいく「生き方」の発見と「実現」を図ることをサポートする意味合いで、「スピリチュアルケア」を「自己実現のサポート」と捉えることができるとお話しいただきました。

講演Ⅱ「医療現場からみるスピリチュアルケア」   清田 直人(社会医療法人栄光会 栄光病院 チャプレン)

冒頭、清田先生は「スピリチュアルペインは取り除かなければならない苦痛ですか?」と私たちに語りかけました。スピリチュアルペインは、「自分らしくない」自分を、生きていかなければならない際に経験していく苦悩であるが、真の自分になる契機であり、真の自分を全うするためには自己が承認されること、拠り所となる「関係」の存在が必要であり、自分・他者・秘的存在(宗教など)との関係を示されました。そして最後に、ケア提供者に求められる姿勢のひとつとして、「燃え尽きてもいけないし、冷めていてもいけない。燃えつきない程度にいつまでも燃え続けていく、炭火のような心を持ちたい」と語られました。

続く2回目のグループワークでは、二つの講演を受け、参加者それぞれが新たな視点を持ち、「スピリチュアルケア」の定義を話し合いました。講師が各グループをラウンドし、方向性を示す場面もあり、活気に満ちたワークとなりました。その後のふりかえりで発表された15グループそれぞれの定義は、各グループの個性が反映され、それぞれに存在感のあるものとなり、講師によるレクチャーを通し次の4つのポイントが見出されました。

①自分らしさ/ありのまま/その人の生き方 ②敬う/信頼/認める ③共に/寄り添い/援助 ④プロセス/過程

これらを踏まえ、さらに会場全体でのディスカッションを重ね、キーワードを集約化する作業を進めました。そしてついに参加者全員の総意として、本研修会での定義が決まりました。

講師によるレクチャー 左:小西 達也先生 右:清田 直人先生

講師によるレクチャー
左:小西 達也先生 右:清田 直人先生

 

 

 

 

 

 

 

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定義化へ向けたディスカッション

スピリチュアルケアとは ~その人のあるがままを信じて認めて、「その人らしく」生きることを支え続けること(寄り添うこと)~

9時開始18時終了と長時間に渡った研修、加えて、事前課題の導入など、受講者にとってハードな研修となりましたが、受講後のアンケートでは、前もって自分の考えを整理し言語化していたこと、講師によるグループワークの方向性の提示など、最終的に定義へと導かれ、達成感と深い理解を習得する機会であったと多くの方に評価いただきました。今後もこの日本財団ホスピスナースネットワークならではの研修を提供できるよう、事業を進めていきたいと思います。

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一丸となって研修会に臨んだ講師・プログラム委員

 

 

[活動レポート ― 在宅看護センター]
3期生初の開所式「なにわ訪問看護ステーション」

2月25日、雲一つない青空の下、日本財団在宅看護センター起業家育成事業3期修了生の田中千津子さんの「なにわ訪問看護ステーション」の開所式が執り行われました。

ステーション名は田中氏にとってなじみの深い大阪・なにわで『七色の笑顔が輪になって支えあえる』ようにと名付けられました。

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田中氏は東住吉森本病院内科病棟、淀川キリスト教病院ホスピス病棟、訪問看護ステーションなどで15年以上の幅広い看護の経験を持ち、学生時代からの仲間であり、理学療法士・介護支援専門員である理事と共に起業を決意されました。8か月間の研修受講中から立ち上げ準備を入念に行い、先月1月に研修修了後、3期生初の開所式となりました。

8か月間の研修では、単なる知識の獲得ではなく、事業所を起業・運営するのに必要な看護師の意識改革を目指し、行政社会力、事業運営力に重きをおき、社会性豊かで、多種多様な保健専門職や行政・地域社会との連携を持つことのできる看護師を育成します。

https://www.smhf.or.jp/hospice/zaitaku/

そして修了後は、地域保健のハブになりうる「日本財団在宅看護センター」を起業・運営し、阿倍野区のように高齢化し、健康状態が低下しつつも在宅で暮らす地域の人々の多様なニーズに対応します。​​これまでに1期生・2期生、あわせて26名が修了し、20か所の「日本財団在宅看護センター」が設立されてきており、更に1月に修了した3期生9名の1番乗りとして田中氏がセンターを開所いたしました。(詳細はこちらまで→ https://www.smhf.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/201609sasaheal13-web.pdf  )

 

 

開所式には、元上司であり、京都大学大学院教授の田村恵子先生が、病院で緩和ケアに従事していた時の田中氏を振り返り、「ある方のケアの中で、今でも大泣きされたことを覚えている、あの時の涙が今の瞬間につながっていると感じる」と話されました。更に、本事業の心強いサポーターでもある、厚生労働省関東信越厚生局医事課・​地域包括ケア推進課併任課長武末文男氏が開業地、文の里周辺の高齢化や在宅医療の需要の高まりに触れ、これからの活躍に力強いエールを送りました。

他に元同僚や地元の方々、本事業の先輩や同期生が全国から駆けつけ、大勢の皆さんが田中さんの門出を温かくお祝いしました。

 

集合写真

IMG_2059喜多理事長とツーショット

 

「24時間365日の安心、暮し・希望・一人ひとりを大切に」をコンセプトに、地域でケアを必要とする皆様を24時間365日支える、なにわ訪問看護ステーション。

今後の活躍にご期待ください!

事業所概要:

一般社団法人 在宅看護センター関西 なにわ訪問看護ステーション

【所在地】 〒545-0004 大阪府大阪市阿倍野区文の里4丁目19番20号

【電話番号】 06-6625-6601

【事業内容】 医師の指示による医療処置、療養生活上の相談・支援、健康状態の観察、リハビリテーション、エンドオブライフケア、家族支援、在宅移行支援、ご家族へのケア

【ホームページ】 https://zaitakukango.jimdo.com/

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[活動レポート ― ホスピス緩和ケア]
ホスピスドクター研修ネットワーク第12回情報交換会開催報告

当財団では、「ホスピス緩和ケアドクター研修」修了者と、研修受け入れ施設の指導医師を対象とした「ホスピスドクター研修ネットワーク」情報交換会を年1回実施しています。12回目を迎える今回は趣向を変え、施設見学を兼ね、日本財団ビルを離れ桜町病院 聖ヨハネホスピスで開催しました。

まず今年度ホスピスドクター研修中の3名による研修経過報告、続いて、「これからの緩和ケア病棟・在宅診療におけるホスピス緩和ケアのかたち」と題し、在宅、病棟とそれぞれの立場におられる3名の先生よりご講演をいただきました。

 「緩和ケア病棟から在宅診療に移ってみえてきたもの」

自身が考える「ホスピス緩和ケア」を求め、病棟から在宅へ移った相河明規先生(ケアタウン小平クリニック/ネットワーク世話人)からは、在宅診療で使用する鎮痛薬の量が病棟よりも少ないことや、自宅で最期を迎えるために必要なこととして、医師と患者・家族の関係性を指摘、コミュニケーションの重要性、医療者として最後まで支えることの重要性をお話しいただきました。

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相河明規先生

「在宅診療から緩和ケア病棟に移ってみえてきたもの」

昨年度のホスピスドクター研修生だった桶口史篤先生(富山市立富山市民病院/ネットワークメンバー)からは、病棟の利点として医師や看護師による継続的なケアは、患者や家族だけでなく、医療従事者の安心につながっていることが示されました。病棟、在宅のどちらがいいとかではなく、患者にとって多くの選択肢があることが大切であると力説されました。

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桶口史篤先生

「緩和ケア病棟における適切な療養場所の支援と地域連携のために作成した退院支援チェックリストの使用報告」

佐野広美先生(医療法人財団慈生会 野村病院 緩和ケア内科)からは、入院後の積極的な在宅復帰支援を行う中、患者・家族への精神的ケアや地域連携強化の必要から導入された退院支援チェックリストの使用報告がありました。病院と在宅の気心知れた連携が、患者に「病院にいつでも入れる」という安心感を提供でき、最期まで自宅で過ごすことができること、病棟が地域の一員であることをお話しいただきました。

佐野広美先生

佐野広美先生

続くディスカッションでは、全員が輪になり顔を合わせながら活発な意見交換を行い、緩和ケア病棟・在宅診療それぞれ共通するもの、異なるものを確認すると同時に、様々な環境がある中で、患者が選択できることの重要性、また患者が主体であることを再認識しました。

グループディスカッションの様子

グループディスカッションの様子

今回は初の試みで、これまでも多くの要望があった施設見学が実現しました。すばらしい環境のもとで療養されている方々の生活を拝見できたことは大変勉強になったとの感想が寄せられました。

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聖ヨハネホスピスの居室

緩和ケア医としてのフィールドは様々ですが、緩和ケアに携わる者としての共通理解を得る会となりました。本会は今後も、ネットワークメンバーの皆様のご意見を参考に、より充実した会となるよう支援させていただきたいと思います。

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参加者全員で記念撮影

[活動レポート ― 在宅看護センター]
公開講座「在宅医療・看護の実践者から」開催報告

2017年1月27日~28日、4回目の公開講座は、プログラム1では、「起業家育成事業修了生による実践報告と事業説明会を、プログラム2では、在宅緩和ケア医4名による講演という2部構成で行いました。

2014年より開始した「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業の修了者は、1月末に修了した3期生を含め35名となりました。1期生、2期生あわせて20名がすでに訪問看護ステーションを開業しています。

本事業は「看護師が社会を変える」というスローガンを掲げています。修了生は、それぞれの地域で、地域医療を支える在宅看護を行っており、今回の実践報告では、起業した1期生3名、2期生2名が本起業家育成事業の受講の動機、起業に至るまでの
経過、起業後の訪問看護実績、行政との連携、地域での啓発活動など幅広い報告を行いました。

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山本志乃氏(2015年開業/㈱在宅看護センター横浜/1期生)

 

その他講師

大槻恭子氏(一般社団法人ソーシャルデザインリガレッセ 代表理事/1期生/兵庫県)

黒澤薫子氏(一般社団法人ハーモニーナース 代表理事/2期生/茨城県)

赤瀬佳代氏(合同会社岡山在宅看護センター晴 代表社員/1期生/岡山県)

長澤祐子氏(一般社団法人ミモザ 代表理事/2期生/福岡県)

 

2日目のプログラム

渡邉淳子先生(わたクリニック院長)

東京の下町、葛飾区で2002年にクリニックを開業。「家で最後まで過ごすことは、日常の中に死があるということ、患者さん・家族の望む生き方を支えることを一番大切にしている」と語ります。在宅で24時間症状緩和を行うには多職種との連携は必須で、中でも看護師の力がとても大きいと言います。

在宅医療の要である看護師には、「その人が生き切るお手伝いをすること、医師と患者家族をつなぐ役目、多職種のまとめ役、本当の思いを感じ取れる心の多様性・柔軟性をもつこと、医療・看護・生活についてきちんとアセスメントできること」を期待すると伝えました。

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 渡邉淳子氏

 

川越厚先生(クリニック川越院長)

在宅での看取りには「死の教育」が必要である。医療者は、「死とは何か、最後の日々をどのように過ごしたら良いか」という情報を与え、個人が自分で選択できるように支援を行う。また、相談外来時、準備期、開始期、安定期、終末期、臨死期、死別後とそれぞれの場面で行う教育内容の整理が必要と語りました。

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二ノ坂保善先生(にのさかクリニック院長)

在宅ホスピスの仲間は「患者・家族のため」にチームを作りあげていくことが大切であり、医療・介護職以外にもボランティアの役割も大きいと言えます。ボランティアは、「デイホスピス、訪問診療の同行、聞き書き・代筆、留守番・見守り、イベント同行」など、その方の生活を豊かにする役割があります。

20年以上携わっているバングラデシュと手をつなぐ会の活動や、世界の緩和ケアについて情報を得ることができるサイト、eHospice を紹介し、西洋諸国だけでなく医療資源の少ない貧しい国で行われている医療、緩和ケアから学ぶことがあるのではないかと、視野を広げることの大切さを伝えました。ホスピスケア・緩和ケアは人権問題に結びついていてること、病気や障害のため自分の人生を全うすることができない人が、人間らしさを取り戻そうとする医療であると述べました。

 

船戸崇史先生(船戸クリニック院長)

20数年在宅医療を行う中で、患者さんを通して学んだことを在宅医療からのメッセージとして事例を交えて話してくださいました。自らもがんを経験し、患者さんとの距離が近くなったことから、失敗、挫折、困難を経験した方が患者のつらさが分かる良い医療者になれるのではないか、人は本当にやりたいことをやるために生まれ生きているのではないか、がんなどの病気や困苦は、本来の使命への気づくために存在しているのではないか、との独自の考察を述べられました。

起業する看護師に対しては、「先の読める看護師、その存在が生きがいになる看護師、人間力のあふれる看護師、夢を語れる看護師」になってほしいと述べられました。

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船戸崇司氏

 

在宅医療を実践している医療者から、在宅医療、訪問看護、緩和ケアの実際について話を聞く貴重な2日間となりました。「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の4期生を只今募集しています。詳細は、こちらをご覧ください。

https://www.smhf.or.jp/news/news_hospice/news_zaitaku/6676/

 

[活動レポート ― 在宅看護センター]
「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業第3期生の修了式

地域包括医療制度の中核となる在宅看護センターを起業する看護師の8か月間にわたる長期研修の修了式を挙行しました。「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業3期生は、それに先立ち、今週起業計画の発表(https://www.smhf.or.jp/category/blog_chair/)を済ませています。

冒頭、日本財団笹川陽平会長の式辞(代読)では「起業して経営者となり、組織を運営しながら医療・福祉をつなぐハブとして、センターを立ち上げる皆さん、ケアの最先端の看護師が地域を担う中核になることはこの国では画期的なこと。それぞれの地域で変革をおこしてほしい」との壮大な期待を賜りました。

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修了証授与に続き、公益社団法人日本看護協会坂本すが会長から「経営者になるあなた方は、これからは自分が看護をしてはいけない。人を動かし俯瞰し、事業の強みと弱みを分析・評価し、絶えず変化と改善を求め、更に地域の信頼を得なければならない。」とリーダーシップを鼓舞するお言葉をいただきました。

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最後に受講生を代表し片岡順子氏が謝辞を述べました。

「本事業の『看護師が社会をかえる』という熱い理念に突き動かされ、全国各地から受講した私たちは、キャリアや生活環境も経験してきた文化も異なりますが、看護師としての誇りと看護の可能性、そして自分が住む地域の将来をより良くしていきたいという強い思いを共有しています。今や何にも代えがたい、この8か月の学びは、まさに学際的で、改めて学ぶ喜びを知る時間でもありました。」「各地での先進的地域医療や熊本地震災害支援の見学・実践研修は、座学やオーソドックスな実習とは違った大きな学びでした。また、財団が長らく続けてこられたハンセン病対策の一環を垣間見た国立ハンセン病療養所の見学では医療職として殊更に正しい知識を持つ大切さに加え、偏見差別を解消するためには、五感に刻まれた揺さぶられる感覚を生涯忘れることなく同じ人間としての尊厳をどう考えるかを伝えていかねばならないと痛感しました。本研修を終えて、すでに起業された先輩を含め、在宅看護界の先達からの教示も、各センターの発展と看護の未来を担うため、私どもも、人材育成と共に共通の目標に向かって精進する決意を固める機会となりました。」としめくくり、近い将来の起業への決意を述べました。

 

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大きな希望と目標を胸に3期生の9名が着実な一歩を踏み出します。

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