[支援活動レポート]
[タイ]笹川記念研究施設

期間 1986~1997年度
協力先 タイ保健省






1986年、笹川良一初代会長が米寿を迎えた際、「今世紀中にハンセン病を根絶したい」という会長の願いに共鳴した関係者が募金活動を展開しました。笹川会長は、その寄付金をすべてハンセン病根絶のために活用してほしいと当財団に寄託しました。

この寄付金を有効に活用するため海外の専門家を交えて討議を重ねた結果、タイのバンコク北部のノンタブリ地区に「笹川記念研究施設」を建設し、同国保健省に寄贈することを決定しました。1986年は、タイ国王の60歳の祝賀の年でもありました。その後、1989年10月に行われた開所式では、タイ国王の名代としてワチラロンコン皇太子が列席され、日本からは笹川会長をはじめ、日本財団、関係団体の方々が参列し、同式典が盛大に挙行されました。

本研究施設の寄贈を機に、日本、米国をはじめとするハンセン病研究専門家によるタイ技術者への技術指導・移転が加速され、早期診断法の開発などハンセン病研究プロジェクトは飛躍的に進みました。これに伴い、当財団からの協力もハンセン病研究プロジェクトを対象とするようになっていきました。

当財団では、供与後の研究施設の維持管理を、約10年かけ徐々に保健省に移行する方法をとり、1997年にすべての運営の保健省への移管を完了しました。

当財団の石館守三初代理事長は、かねてよりワクチンの開発に力を注いできたこともあり、笹川記念研究施設はタイのみならず、東南アジア、ひいては世界のハンセン病研究の中心として役割を担うため高度なものとしたいと考え、P3レベルの動物舎を設置しました。同施設では、設立以来、免疫学、分子生物学、動物実験、臨床試験といった内容を含む10数件の研究プロジェクトが取り上げられました。

また、近年PCR(遺伝子増幅装置により、ごく微量のらい菌の遺伝子を検出可能な量まで増幅する)技術が開発され、さまざまなタイプの病理組織標本から、ごくわずかならい菌をも精度よく検出することが可能となり、らい菌に対する抗体価を測定する方法とともに、感染の早期発見とそれに引き続く早期治療に大きく貢献することが期待され、新しい診断法の開発にかかわる研究活動が活発となりました。