[支援活動レポート]
[中国]広西省寧明村 回復者経済自立支援

期間 2007年度~
対象地域 広西省寧明村
協力先 HANDA(Guangdong HANDA Rehabilitation and Welfare Association:広東省漢達康福協会)






中国南部を中心とし、回復者とその家族の尊厳を確立するための活動を行う、回復者組織HANDA(Guangdong HANDA Rehabilitation and Welfare Association:広東省漢達康福協会)の広西省事務所では、2003年から同省の27定着村で回復者やその家族の自立支援活動を行っています。

しかし経済支援活動の多くは若く働くことができる人を対象としており、高齢で重度の障がいを持つ回復者は、わずかな生活補助金で生活を送ってこなければなりませんでした。高齢化が進む中国の回復者もが経済支援活動の恩恵を受けることができるためのプロジェクトとして考えだされたのが、共同体としての村全体での牧畜プロジェクトです。

寧明村は寧明市から約10kmの山間にある定着村です。山に囲まれた寧明村の周辺は放牧に適しています。また牧畜の経験がある人も住んでいました。この経験者である4人が水牛を育てることになりました。

牧畜技術の研修を受け、牧畜を行う人やHANDAのメンバーが共に放牧地を耕し、ボランティアも加わって草を植えて準備が整ったところで、18頭の子牛と1頭の牝牛を購入しました。

この後、放牧は順調に進んでおり、成長した子牛は市場で売られ、収益が生じています。この利益は、プロジェクト運営上の必要経費の支払いや、牧畜グループの収益となるだけではなく、村に暮らす高齢者や重度の障がいを持つ回復者の生活や医療費を支える基金としても使われています。

寧明村の莫偉勝さんの手紙

「以前はトウモロコシやサツマイモを植えたり、鶏を飼ったりするくらいで、あんまりたいしたことはしてなかったよ。仲間同士よくつまらないことで言い争いをしてたなあ。協調性なんてありゃしない。誰かを助けたり、仲良くやろうなんて考えたこともなかったさ。こんな生活をしてるとなあ、心の底まですさむんよ。こんな生活をしなくちゃいけないのも、ハンセン病にかかったワシらに対する、神の罰だと思ってたね。

ワシらこうやって死んでいくんだと思ってたよ。だけどな、2007年にHANDAの人が来てな、牧畜をやってみませんか。必要な手伝いはしますよって言ってくれたんだ。何もかもうまく行ったわけじゃない。難しいこともいっぱいあったよ。でも、今じゃ、牛を売って金を自分の手で稼げるようになったんだ。

最近になってな、話し合いをしたんよ。なあ、自分たちさえ良ければいいんじゃだめだよなって。村に住む人間として、村に貢献しようじゃないかって。牧畜で儲けた金は自分たちで使うんじゃない。村全体のためにも使っていこうって、共同基金を立ち上げたよ。ああ、村の連中は喜んでくれとるよ。今ではな、村の連中もできることは手伝ってくれるようになってな。村の空気が、こう、やわらかくなったなあ。前みたいにとげとげした雰囲気はなくなってきたし、村の人間同士がもっと仲良くなって、冗談言ったり、話をしたりするようになったよ。

最初はなHANDAの人たちがあんまり自由にやらせてくれるから、心配しとったよ。失敗したらどうすんだってな。でも最近は考えが変わってきたんだな。うん、これはワシらの牧畜なんだって。やらされてるんじゃないんだってな。それでようやく思い出したんよ。ワシらにだって何かをすることができる。そうさ、ワシらは何もできない価値のない人間なんかじゃなかったってな」

本プロジェクトはボートレースチャリティー基金からのご寄付により実施することができました。