[支援活動レポート]
[中国]移動眼科検診

期間 2007年度~(継続)
対象地域 広東省、広西省、雲南省、四川省、湖北省、福建省、浙江省
協力先 HANDA(Guangdong HANDA Rehabilitation and Welfare Association:広東省漢達康福協会)






ハンセン病は完治することができるようになりましたが、適切な治療開始の遅れは神経障がいにつながり、これが後遺障がいに結びつく原因になります。その後遺障がいの一つに、目の障がいがあります。ハンセン病に特有な症状である兎眼、逆さまつげ、翼状片などは、中国のハンセン病回復者の約3割が患っているとされており、放置すると失明につながる恐れがあります。

中国で活動を展開するハンセン病回復者組織HANDA(Guangdong HANDA Rehabilitation and Welfare Association:広東省漢達康福協会)は、回復者の多くが抱える眼の問題を解決するため、2001年に「移動眼科検診プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトでは眼科医師とアシスタント、看護婦、運転手がチームを組み、医療へのアクセスが難しい地域にある回復村を車で回って検診を行い、必要があれば治療や手術を実施します。活動地域は広範囲にわたり、これまでに南部を中心に11省/地域で約8,000人の回復者がこの検診と治療を受けています。また、同時に目のセルフケア方法についての研修と薬の供与も行い、日ごろから自分たちでケアができるようにするための取り組みも併せて行っています。

プロジェクトを通じて眼科手術を受けた張 安会さん(当時82歳)の話

私の目が見えるようになるなんて、最初は信じていませんでした。だから、治療が受けられるという話を耳にした時も、自分も目が見えるようにしてほしいなんて言わなかったんです。いつの間にか、消極的になってしまったものです。

昔、まだ目が見えて健康だったころは、よく山を下って麓の村に住む人たちとおしゃべりをして楽しんだもんです。本当は人と話すことが大好きなんですよ。でも、目がほとんど見えなくなってからは、外に出ると物にぶつかったり転んだりして危ないので、小さな暗い部屋からほとんど出なくなりました。時々、部屋の外から足音や人の声が聞こえるたびに、誰か私のところに来てくれたんじゃないかと思って戸口のところに行って、待ったりしましたが、そんなことはめったにありませんでした。

ところがね、去年、近所の王さんの目が、HANDAの先生のおかげで良くなったと聞いたんですよ。だけどね、手術のために不自由な体でバスに乗って知らないところに行くなんて私にはできるか不安だったし、そんなことしてもらいたいって言ったら、笑われるんじゃないかと思ってあきらめていました。本当はずっと、誰か助けにきてくれないかと思ってたんですけどね。

4月になってね、HANDAの若い職員が私のうちにきて、手術を受けたらどうかと言ってくれたんですよ。みんな、私のことを“おばあちゃん”と呼んでとても慕ってくれてね。山を下りて手術を受ける時も、足が悪い私をおぶってくれたんですよ。

「おばあちゃんは長生きで縁起がいいから、私たちにおんぶさせてね」って。先生も親切で、手術の時、私がとても協力的だったと褒めてくれました。こんなにも人から大事にされ、気にかけてもらったのは久しぶりで、本当にうれしくてうれしくて。それでね、手術の次の日、あの王さんみたいに、私の目も見えるようになったのです。

そりゃ、人生が本当に変わりましたよ。自分の身の回りのことは自分でできるようになったし、外を歩いて転ぶこともなくなりました。これまでは目が悪く、障がいのある足や手の手入れをすることもできませんでしたが、今では自分で何でもできます。時々遊びに来てくれるHANDAの職員たちに、きれいに洗った手や足を見せると、とても喜んでくれます。そして、私が一番上手に手入れしていると褒めて写真を撮ってくれます。こうして今、自分の写真を見ることができることをとても幸せに思います。誰かが“おばあちゃん”と呼んでくれるたびに、私の幸せを彼らと分かちあいたいと感じます。