[支援活動レポート]
[バングラデシュ]ハンセン病啓発活動に対する協力

期間 1999~2001年度
対象地域 南東部コックスバザール地区
協力先 TLM(The Leprosy Mission:英国ハンセン病ミッション)バングラデシュ支部



バングラデシュの南東部、コックスバザール地区はベンガル湾に面しており、年間の降雨量も非常に多いことから洪水や津波、暴風雨による災害が絶えない地域です。また、ミャンマー国境にも接しており、ミャンマーからの避難民や非定着民が集中し、住民の生活は非常に厳しい状況にあります。

プロジェクト開始当時、同地区はバングラデシュの中でも特にハンセン病有病率が高く、集中した対策を講じる必要がありました。しかし、コックスバザールでは一般の保健サービスすら十分に機能しておらず、ハンセン病の診療や治療を一貫して管理・推進していく責任者もいませんでした。これでは、適切な治療を行うことも患者の早期診断もできません。ハンセン病についての正しい知識を持たない人は、仮に症状が出ても気づかず放置してしまうので、症状の重症化や障がいにつながる可能性があります。このため、医療設備の充実はもちろんのこと、地域住民に対する啓発活動―住民たちが、ハンセン病に対する正しい知識と早期発見、治療の重要性について理解することが、非常に重要になってきます。

そこで当財団は、バングラデシュでハンセン病制圧活動を行っているTLM(The Leprosy Mission:英国ハンセン病ミッション)バングラデシュ支部を通じて、同地区住民に対する啓発活動を実施しました。

このプロジェクトではまず、教師や宗教指導者といった地元で影響力を持つ人を対象に研修を実施することから始めます。ハンセン病の正しい知識を効果的に普及させていくためには、リーダーの存在が重要だからです。ハンセン病の症状や診断方法、治療するにはどうしたら良いのかなど、正しい知識を身に付けたリーダーたちは、その後それぞれの持ち場に戻り、写真やポスターを用いたワークショップを開催したり、街頭劇を企画したり、挿し絵入りのブックレットを作成したりして、どんな人にも分かりやすいよう工夫したイベントを実施し、ハンセン病の正しい知識の普及に努めます。その際、ハンセン病は完治する病気であること、簡単にうつる病気ではなく、隔離や差別は不当であることなど、ハンセン病にかかっていない人に対しても、正しい知識を持ってもらうように呼びかけました。これにより、根強く残る差別や偏見の軽減にも貢献することができます。

このほか、このプロジェクトではNGOや宗教団体のネットワークを活用して、同地区以外にもこの活動の成果を波及させることにも務め、大きな成果を得ることができました。