[ハンセン病のニュース]
ガーナ北部のハンセン病啓発活動

ガーナは1998年にハンセン病の制圧(人口1万人あたりの患者数1人以下)を達成て以来、制圧レベルを維持していますが、北部では有病率が極めて高い地域が残されています。

2003年にガーナで、患者や回復者の尊厳ある人生をめざして、IDEAガーナという回復者団体が誕生しました。南部のケープコーストを中心として、全国で生活向上支援や啓発活動を行っています。

笹川記念保健協力財団は、2004年より、IDEAガーナの活動を支援してきています。

IDEAガーナの会員はすべてボランティアです。普段は学校の先生をはじめ、さまざまな仕事をしている人たちですが、休暇を利用し、特に有病率が高いと言われているアッパーウェスト州やノーザン州の定着村などで啓発活動を行ってきました。

2011年には7月と12月にノーザン州各7村で啓発活動を行いました。

その中の1つの村での話です。

「私の父は村の人たちに慕われた酋長でした。ガーナでは村の酋長は非常に大きな力を持っています。しかし、父がハンセン病にかかると、病気のため、酋長から退くようにと村の人たちに言われました。このためこの村には1984年から酋長がいませんでした。

ところが7月にIDEAガーナのメンバーがこの村にやってきました。そしてハンセン病について教えてくれたのです。恐れる必要がないこと、障がいは病気が治っていないためではなく、病気で起こった神経麻痺のために起こるものであることなど、誰も知りませんでした。

IDEAガーナの人たちは、この村に1日いましたが、前日とこの日の夕方のみんなの態度には、明らかな変化がありました。

実は、前の酋長の息子である私もハンセン病にかかっていました。IDEAガーナの人たちが帰るころになると、村の人たちは、『自分たちが間違っていた。さあ、私たちの酋長になっておくれ』と、私を酋長にしてくれました。

ハンセン病にかかってもかからなくても、すべては同じ人間だということを、ここに住む人たちは分かってくれたのです」

IDEAガーナの啓発活動には、村の酋長だけではなく、北部の大酋長も賛同をして、活動の一環として街を歩きました。後ろの方に椅子を持って歩いている人たち何人かいる写真がありますが、これは、ハンセン病にかかった人を差別するような人間は、死ぬまで一生安らかに暮らすことが出来ないという意味だそうです。

200人を超す人が参加することもあるIDEAガーナの啓発活動は、回復者と家族に勇気と希望を、近隣の人たちには正しい知識を恐れと差別を捨てることを教えています。