[活動レポート ― ハンセン病]
フィリピン台風被害緊急復興支援 Part 2

台風被害復興進むクリオンフィリピンパラワン州北部クリオン。2013年11月の超大型台風で大きな被害を受けました。当財団の支援で、家屋や公共施設の復旧、生活の糧を失った人たちの生活再建などの復興が着々と進んでいます。

クリオンはマニラの南西、パラワン州の北部に位置する

クリオンはマニラの南西、パラワン州の北部に位置する

2013 年後半、さまざまな困難がフィリピンを襲いました。9月には諸民族解放戦線の一部のグループが南部サンボアンガ市侵攻。当財団が立ち上げ準備から支援をしている全国ハンセン病回復者と支援者ネットワーク(CLAP)に全面的に協力をしてくれてきた、スールー療養所の所長も人質となり負傷しました。多くの死傷者と避難民を出す事態へと発展しました。10月には中部ボホール島を中心としてマグニチュード7.2の直下型大地震が発生しました。
そして続く11月には観測史上例を見ない勢力となった超大型台風30号(現地名ヨランダ)がレイテ島やサマール島を中心に広範囲にわたって襲い、1,600 万人を超える被災者を出しました。被害の最も大きかったレイテ島の状況はフィリピン内外でも連日報道されましたが、その他の地域の状況が伝えられることはありませんでした。クリオンの台風被害台風ヨランダは、かつて世界最大のハンセン病隔離施設があったクリオン行政区でも猛威をふるい、住民の75%が被災しました。台風の通り道から外れることが多いクリオンで、ヨランダの前に台風被害が出たのは、 約25年前のことです。その25 年前もヨランダよりはるかに規模の小さいものでした。台風が過ぎ去った翌朝、クリオン療養所ならびに総合病院には多くの人がやってきました。家が壊れた、漁業用ボートが壊れた、屋根が飛んだ…。自身も被災している病院職員たちが調べたクリオンの被害状況は想像を絶するものでした。天候不順のため電話もつながらず、停電と断水が続く中、雨風を防ぐ屋根も壁も失った人たちは、沿岸に建っていた避難センターに身を寄せましたが、住む場所も家財道具も生活の糧も失い、先行きの見えない日々でした。

沿岸に建っていた家屋跡

沿岸に建っていた家屋跡

病院がまず手掛けたのは、被害状況把握と支援優先順位付けでした。当財団は病院との協議を重ねた結果、多くの個人、団体のみなさまからのご寄付を受け、まず緊急支援として、米を始めとした食料や毛布の入った緊急支援パックを1,570家族に配布すると共に、クリオン島周辺の島での巡回医療の支援を行いました。クリオンにもNGOや政府機関から被害状況把握のために、人が派遣されてきましたが、いずれも被害状況を視察するに終わり、支援にはつながりませんでした。人々の焦燥と不満が高まる中で、フィリピン内外の団体・機関による支援活動に先駆けて行われた当財団の緊急支援は、長い復興への道のりを歩き始める気力と希望となったとのことです。復興の第一歩初期の混乱が収束しつつあった、台風襲来から1カ月半後、病院と当財団は、復興に向けての協議を始めました。フィリピン政府の復興予算も視野に入れ、支援優先順位が高く、なおかつ予算確保が非常に困難だと見込まれるものとして、数多くの要請やニーズの中から病院側が挙げたのは、完全に倒壊した回復者男性寮、 住民家屋、教育施設、歴史ミュージアムと100周年記念碑の修繕、生活の糧を失った人に対する生計復活支援でした。協議を重ねながら現地の状況確認をし、2014年3月に復興支援を決定しました。これまでに35 軒の家屋修繕、小学校2校と中高学校1校の修繕・建設、歴史ミュージ アム修繕、100 周年記念碑修復が行われ、回復者男性寮の修繕、そして中高学校1校の水施設整備も行われる予定です。家屋も教育施設も地域住民が積極的に修 繕や建築に労働力を提供してくれました。また、台風により漁業に必要なボートや網、農作物や果樹、豚や鶏 を失った人々が生計を立てていけるよう、ボートや網、農作物の種、家畜、雑貨販売のための自転車を提供しました。そして今みなさまからのご寄付を受けて行われた、クリオンにおける台風被害緊急支援・復興支援に続き、現在では小規模ながら家屋修繕やボートの供与を行う団体も出てきました。また政府による病院施設の被害支援の動き もあり、クリオンの復興も第一段階を終えました。クリオン療養所ならびに総合病院のクナナン院長からは、クリオンが台風直後の混乱から立ち直り、復興の道をたどり始めるために、最も支援を必要としていた時期に、最も必要な支援を提供したことに対する感謝が伝えられました。今後は地方行政が中心となって計画を立て、復興をめざすことを期待するという前向きな言葉をもらい、当財団のフィリピン台風被害復興支援は、現在進行中の男性回復者寮の修繕と、中高学校の水設備整備をもち、完了いたします。みなさまからの温かいご支援に心より感謝いたします。

修繕された家屋

修繕された家屋